Martin / 1939年製 D-28 "Herringbone"
担当者コメント:井上

アコースティックギターの歴史において、最高峰のマスターピースとして君臨するプリウォー(戦前)期のD-28。
その中でも激動の変遷期にあたる1939年製の個体が入荷いたしました。
アコースティックギターの王道であり、全ギタリストの憧れでもある「ヘリンボーンD-28」の魅力を極限まで詰め込んだ、まさに歴史の至宝と呼ぶにふさわしい佇まいです。
ボディトップには、木目がぎっしりと詰まったアディロンダック・スプルースが採用されています。目の詰まり方を見るだけでも別格と言わざるを得ません。
サイド&バックには、深みのある美しい木目を持った極上のブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)が惜しみなく使用されており、プリウォー期ならではの圧倒的な素材の良さを肌で感じることができます。
ボディを縁取る伝統的なアイボロイド・バインディングとヘリンボーン・トリムの組み合わせは、この時代だけの特別な気品とオーラを放っています。
ヘッドには、希少なオリジナルのシールドバック・チューナー、Grover G111を搭載。クラシカルな佇まいと、年月を経た金属パーツならではの風格がヴィンテージの凄みをさらに際立たせています。また、経年でボディに美しく馴染んだオリジナルのべっ甲柄ピックガードもしっかりと残っています。
この1939年製個体の最大の注目ポイントは、その絶妙な過渡期ならではのスペックにあります。ネック幅は、プリウォー期のゆとりある演奏性を維持したナット幅45mmの太ネック仕様。1939年の途中で約43mmへと移行する直前の、しっかりとした握り心地と芯のある力強い鳴りをもたらす最初期の仕様です。さらに内部構造には、前年末に移行したばかりの「リアシフテッド・スキャロップドXブレーシング」を採用。フォワードシフト期と比べてブリッジ付近の強度が上がるだけでなく、トップ材の響き方も大きく変わってきます。フォワードシフトがサウンドホール付近に音のパワーが集まってくるのに対して、リアシフトはトップ全体にバランスよく振動が行き渡る印象があります。それでいて力強さと音の厚みやふくよかさは健在。真に枯れた音色を体験できる極上のギターです。
実際に弦をストロークすると、「これがヘリンボーン・ハカランダのD-28か……」と思わず声が漏れてしまうほどの圧倒的な音圧に包まれます。アディロンダックとハカランダの組み合わせによる深く地を這うような重低音、そしてリアシフト特有の芯の太いストレートな鳴りが完璧に融合し、弾き手のタッチにどこまでもダイレクトに応えてくれます。倍音豊かでありながらも、一音一音の輪郭が驚くほどクリアで、コードを鳴らした瞬間にその場の空気を一変させてしまうほどの凄まじい説得力に満ちています。手にした瞬間に伝わる黄金期のエネルギーと、現代のギターでは絶対に真似のできない圧倒的な鳴りのクオリティ。一生モノという言葉さへ置き去りにしてしまうような、アコースティックギターの歴史そのものを体現した至高のD-28を、ぜひその手でご堪能ください。
[スペック/付属ケース]
TOP : Spruce
BACK/SIDES : Rosewood
FINGERBOARD/BRIDGE:Ebony
NECK:Mahogany
NUT WIDTH : 45mm
SCALE : 642mm
CASE : Non Original Hard Shell Case(1950s Martin Original(GEIB))
[修理・加工歴/交換パーツ/外観コンディション等]
※ネック裏のボリュート部分やボディトップ&バックに割れ補修があります。
※この他コンディションの詳細につきましては、担当:井上までお問い合わせいただけますと幸いです。
※委託品
[保証について]
ご委託品のため、当店保証は付属致しません。
もちろんご購入後はご希望により調整・修理等(有料)のご相談を承ります。
尚、通販お試しサービスは対象外です。(返品不可)