『かげがえのない一台は入念な対話から生まれる。』
Takao Nakagawa Custom Bass Trombone受注製作品
[概要]
ナカガワC上昇ロータリー付きバス・トロンボーン(B♭-C-F)。230ミリ・イエローブラスベル。イエローブラス製アウタースライド13.9-14.4ミリ・デュアルボア。主管、スライドエンドクルークともにヘビ飾り付き。アンラッカー仕上げ。マウスピースシャンク:アメリカン・ラージシャンク。2015年製。付属品:プロテック・セミハードケース(外装一部擦れ破れあり)
[状態]
アンラッカー仕様のため変色は見受けられますが、サビや腐食はありません。各所整備・調整済み。
[特徴・魅力]
Takao Nakagawaが手がけた特注バストロンボーン。
2014年、ドイツ・ライプツィヒにて伝統工房Syhre(ズューレ)を継承して以降、中川氏は独自の哲学と技術で、ヨーロッパのトップ奏者たちから高い評価を集めています。
彼の楽器作りの根底にあるのは、「楽器は演奏者とともに育つ存在」という考え方。単なる道具ではなく、関係性の中で完成していく“パートナー”です。
本機は、ベルリン放送響の名手ギュンター・フロスト氏のBb/F/Cシステムをベースに、中川氏が再設計したワンオフの特注モデル。
基本はBb管。
左トリガーでF管へ移行する点は一般的なバストロンボーンと同様ですが、さらに右側にC上昇ロータリーを搭載。
これにより――
通常のダブルロータリーでは4ポジションで得るローCが1ポジション、
5ポジションで出すローHが2ポジションで演奏可能となります。
スライド操作は驚くほど自然で、従来のポジション感覚を大きく崩すことなく、低音域の機動力を飛躍的に向上させています。
230ミリベルはコンパクトな設計ながら、音像は太く、しなやかに伸びる。
フルオーケストラの中でも埋もれることなく、深い存在感を放ちます。
操作性にも優れ、バス奏者はもちろん、テナー奏者の持ち替えにも高い適応力を発揮。ふくよかで温かみのある響きと、実戦的な機能性を兼ね備えています。
設計思想、演奏性、そして作り手の哲学。
そのすべてが凝縮された、世界に一台の特注品。
“かけがえのない存在”になり得る条件を、すでに備えた一台です。