BENGEの記憶、セルマーUSAの設計思想、そしてマーシンキウィッツの美意識。歴史を受け継ぎながら進化した、CGモデル。
[概要]
マーシンキウィッツB♭管トランペット、クラウド・ゴードン・モデル。バルブボア.470イインチ。ベルテイルボア(ベル根元).466インチ。120ミリベル。ボディ、ベル銀メッキ仕上げ。ピストンボタン、上下バルブキャップ、ウォーターキイ金メッキ仕上げ。楽器重量980グラム。2010年頃の製作品。ケースなし。本体のみの販売品です。
[状態]
ベルフレアに極小浅凹み点在。その他は薄いスリ痕、磨き痕が散見する程度。綺麗なコンディションを保っています。金メッキ部分は薄くなっています。管内洗浄・軟モノ交換・各所整備・調整済み。
[特徴]
マーシンキウィッツ製作のクラウド・ゴードン・モデルは、歴史的なふたつのゴードンモデルに目配せしながら、同社独自のアイデアと技術を投入して作られたトランペットです。
かつてゴードンモデルには、ロサンゼルス・ベンジで製作されていた「.468インチ」と、後にセルマーUSAで製作された「.470インチ」という、ふたつのボアサイズが存在しました。マーシンキウィッツもこの流れを汲み、自社のゴードンモデルとして「.468インチ」と「.470インチ」を用意。本機はそのうち、.470インチ・バルブボアを持つモデルです。
外観は、トラディショナルで優美な意匠をまとっており、一見するとベンジ直系のゴードンモデルのようにも見えます。しかし設計面では、セルマーUSA期のゴードンモデルに近い方向性を感じさせます。また、チューニング管に支柱を配した独自の構造や、軽量化されたベルなど、マーシンキウィッツの他モデルではあまり見られないチャレンジも随所に盛り込まれています。
.470インチのエクストラ・ラージボア、980グラムのライトウェイトボディと聞くと、どんどん息を持っていかれる楽器を想像しがちですが、本機は息の流れに適度な抵抗とまとまりを持たせています。しっかり息が入るのに音が散らず、自然な支えが生まれる感覚です。太く豊かでありながら反応は重すぎず、同社らしい華やかさと抜けの良さもしっかり感じられます。
マーシンキウィッツ氏がトランペット製作の第一線から退いている現在、同社製トランペットは入手困難となっています。ゴードンモデルの系譜と、マーシンキウィッツならではの美しいフォルムを満喫できる、見逃せない1台です。