『海を越えて結ばれた、二人のマイスターの知と技。』
ルイス&デュルクが追い求めた、自由に響くフルダブルホルン。
[概要]
ルイス&デュルク製フルダブル・フレンチホルン。310ミリ・ミディアムスロート・イエローブラス・ハンドハンマードベル(※/ベルフレア重量428グラム)。ロータリー・コード・アクション。12.1ミリボア。左手小指フック固定式。4番ロータリーレバー可動調整式。アンラッカー仕様。2010年頃の製作品。付属品:MBケース(外装破れ・染み汚れあり/留めボタン箇所破れ)
※スタンダードベルの成形工程とは異なる手打ちによるハンドメイド加工ベル
[状態]
一番管(ベル管の奥)の側面に小浅凹み(現状お渡し)。マウスパイプ補強板、ベル管根元側面、ベルフレアに小浅凹み修正痕点在。アンラッカーのため、変色やくすみ、ベルインナーに水滴痕が散見しますが、サビや腐食はありません。その他は目立つ凹み、スリキズもなく、良好な状態を保っています。ロータリー分解、管内ケミカル洗浄、消耗品交換、各所整備・点検済み。
[特徴]
ルイス&デュルクは、アメリカ・シカゴのホルン製作家 Steven W. Lewis と、ドイツの名工 Dietmar Dürk によるコラボレーション・ブランドです。異なる国で経験を積んだ二人のマイスターが、互いの技術、経験、製作哲学を持ち寄ることで誕生しました。
Steven W. Lewis はホルン奏者としての演奏経験を持ち、シルキー工場での仕事を経て、シカゴのホルン製作に関わる職人から金管楽器の修復・製作技術を学んだ人物。一方の Dietmar Dürk は、ドイツの名門アレキサンダー社で修業を積み、マイスター資格を取得したのち、自身の工房を築いたクラフトマンです。
LDx5は、そうした二人の背景が結びついて生まれたフルダブルホルン。外観や構造は伝統的なホルンの姿を踏襲しながら、製作に用いる工具や工程はこのプロジェクトのために考案され、素材に余計なストレスを与えないことを重視して作られています。
その狙いは、楽器が奏者の息を妨げず、最初の一音から自然に反応すること。音の立ち上がりは素直で、ピッチの中心もつかみやすく、開放的で澄んだ響きを持っています。力で押し込むというより、息を入れた分だけ楽器がしなやかに応えてくれる感覚です。
本機は、310ミリ・ミディアムスロートのイエローブラス・ハンドハンマードベルを備えた仕様。手打ちによるベルならではのニュアンスと、アンラッカーらしい反応の良さが加わり、豊かさの中にも生々しい響きの質感を感じられます。
量産品とは異なる手仕事の密度と、奏者の表現を妨げない自然なレスポンス。ルイス&デュルクというブランドの哲学をしっかり味わえる、完成度の高いフルダブルホルンです。