モデル名はJAZZ。
しかし、その実力はジャンルを選ばない。
[概要]
ジェローム・カレB♭トランペット“JAZZ”。450"-470"エキスパンダボア(マルチボア)。124ミリ・イエローブラスベル。リバースチューニング。銀メッキ仕上げ。楽器重量1022グラム。2000年代製造品。付属品:純正シングルハードケース
[状態]
ベル根元側面に極小浅凹み(詳細画像参照/現状お渡し)。ベル胴上部に凹み修正痕。ベル後方側面に小さなアテ痕点在。その他、目立つキズ、メッキ剥がれはありません。管内洗浄・軟モノ交換、各管・各所整備調整済み。
[特徴]
ジェローム・カレが設計したトランペットのラインナップにおいて、“JAZZ”という名称は世界各国への本格展開を見据えた最終段階で与えられたものです。
そのため、名前から想像されるような「ジャズ専用モデル」ではありません。
本機の特徴は、450"から470"へと拡大していくエキスパンダボア(マルチボア)設計にあります。
バルブケーシング周辺ではエクストララージボアに相当する470"まで広がりますが、単純な大口径ボアのような息の散漫さやキツさは感じられません。むしろマウスパイプ付近には明確な抵抗感があり、その支えを利用しながら効率よく音へ変換していくタイプのトランペットです。
特に印象的なのは高音域での吹奏感でしょう。
一般的なトランペットでは、音域が上がるにつれて響きが細くなったり、音のポイントが狭く感じられることがありますが、このモデルでは中音域からそのまま延長したような感覚で演奏できます。高音域でも響きの密度が失われにくく、太さと明るさを保ったまま抜けていくサウンドは、この楽器ならではの魅力です。
もちろんビッグバンドやリードプレイとの相性はバッチリですが、それだけに留まりません。ジェローム・カレが追求したのは特定のジャンルに特化した楽器ではなく、奏者の持つ表現力を効率よく引き出すこと。その思想は、このJAZZにも色濃く受け継がれています。
組み合わせるマウスピース次第で表情は大きく変化し、ビッグバンドから吹奏楽、ポップス、ソロワークまで幅広く対応可能。モデル名に惑わされず向き合ってみると、その本質は「オールマイティに使えるソリスティックなトランペット」であることが実感できるは一台です。