『名手の理想を、設計と響きに結晶させた。』
ホルトン・ホルン全盛期の金字塔、バリー・タックウェル・モデル。
[概要]
ホルトン・フレンチホルン、バリー・タックウェル・モデル。ラージスロート・ブロンズ・デタッチャブルベル(※)。ニッケルシルバー製ボディ。ロータリー・コードアクション。4番ロータリーF/B♭は固定式。デタッチャブル式マウスパイプ2ヶ(室内楽タイプ♯BT 1、オーケストラタイプ♯BT 4)。1992年頃の製造品。付属品:Holtonスクエア型ハードケース(オリジナルではありません。替えパイプを納めるバッグ欠損) 販売当時の新品価格1,260,000円
※本体とベルフレアに刻印されている矢印を合わせて装着(それぞれネジ切りがない部分)し、時計廻りに90度回して固定(詳細画像参照)。
[状態]
ベルフレア、ベル胴、3番ロータリー抜き差し管(F管)に小凹み点在>修正済み。ベル奥と4番ロータリー迂回管を繋ぐブレイズ(留座)のハンダ抜け>入れ直し。各抜き差し管カーブ、ベルインナーのラッカー塗装落ち(簡易ラッカー補修あり)。マウスパイプ(室内楽タイプ♯BT 1)の補強板上にラッカー塗装落ちと浸食による表面の凸凹あり。その他、通常使用によるあてキズや部分的なラッカー塗装落ち有り。全ロータリー分解洗浄、ロータリーコード(紐)、コルク、ゴム等の消耗パーツ全交換、各所整備済み。
[特徴]
ホルトンH104は、同社がフレンチホルンの製作にもっとも力を注いでいた時代に、世界的名手バリー・タックウェルとの共同開発によって誕生したフラッグシップモデルです。タックウェルが現役を退くまで製作され、その設計思想は後継機種H105へと受け継がれました。
ニッケルシルバー製ボディに、ラージスロートのブロンズベルを組み合わせた独自の仕様。ロータリーアクションは精緻で軽快、発音も俊敏です。柔らかな質感を持ちながら音の輪郭は埋もれにくく、タックウェルのソリスティックな演奏スタイルを彷彿させる、明確な存在感を備えています。
本機のベル接続部は、最初期に採用されていたバヨネット式ではなく、後期型のスクリュー式。とはいえ、矢印を合わせて差し込み、時計回りに約90度回すだけで固定できるため、一般的なねじ込み式よりも素早く着脱できます。
もうひとつの特徴が、交換式マウスパイプです。販売時の標準仕様として、室内楽タイプの♯BT1と、オーケストラタイプの♯BT4が付属。本機にも、その2本が揃っています。♯BT1はコンパクトな吹奏感と素早い反応を持ち、柔らかさの中にも音がすっと立つソリスティックなキャラクター。♯BT4に交換すると息の流れに広がりが生まれ、よりシンフォニックで懐の深い響きへと変化します。
用途や編成に応じて楽器の表情を描き分けられる機能性と、名手の美意識を反映した独自のサウンド。ホルトン・ホルン全盛期の技術と、バリー・タックウェルの理想が凝縮された、歴史的なフルダブルホルンです。