『ヴィンテージの常識を、気持ちよく裏切る完成度』
メンデスの超絶技巧を支えた、オールズの先進的フラッグシップ
[概要]
F.E.オールズB♭トランペットM-10ラファエル・メンデス・モデル。120ミリ二枚取りイエローブラスベル。460'MLバルブボア。ピストン貝ボタン縁:金メッキ仕上げ。本体:クリアラッカー塗装仕上げ。楽器重量1081グラム。1964年製。付属品:純正ヴィンテージハードケース(鍵なし)、ギャランティカード
[状態]
小キズ、薄いスリ痕点在。ベル縁にラッカー落ち、塗装染み。ピストンボタン縁の金メッキ落ち。その他、目立つキズや事故歴はありません。管内洗浄・軟モノ交換済み。ピストン気密性、アクション良好です。
[特徴]
往年のアメリカ名門金管メーカー、F.E.オールズが製作したB♭トランペットのフラッグシップモデルM-10。
メキシコ生まれの世界的ヴィルトゥオーゾ、ラファエル・メンデス(1906–1981)の名を冠したシグネチャーモデルであり、彼の驚異的な技巧と音楽性を支えるために、高い機能性を求めて設計された一本です。
F.E.オールズは、新しい技術やアイデアを積極的に取り入れ、常に一歩先を目指していた先進的なメーカーでした。本機もまた、当時のトランペットとしてはきわめて完成度が高く、いわゆる“古き良きヴィンテージらしい枯れた味”や、“フォーカスが甘いが味がある”といった方向性とは、むしろ対極にある存在です。
反応は非常に素直で、レスポンスは速く、全体のバランスも安定しています。現行モデルにも引けを取らない機能性を感じさせながら、音色は単にモダンで硬質というわけではなく、艶やかで明るい響きの中に、しっとりとした上品さをしっかり備えています。華やかでありながら、どこか品がある。この絶妙なキャラクターこそ、本機の大きな魅力でしょう。
超人的なテクニック、小気味良い発音、俊敏なレスポンスを要求したラファエル・メンデスが監修したモデルであることを思えば、この仕上がりにも納得です。ヴィンテージホーンのカテゴリーに収まりきらない完成度の高さと、時代を超えて通用する実用性。“名手のためのシグネチャー”という言葉にふさわしい、オールズの代表作です。