『イギリス生まれ、響きはヨーロピアン。ベッソン・トロンボーンが最後に残した、もうひとつの答え。』――ハグマンバルブが導く、軽やかで気品あるテナーバス。
[概要]
ベッソン太管テナーバス・トロンボーン。8.5インチ二枚取りイエローブラスベル。ハグマンバルブ、F管オープンラップ。13.89ミリボア。純正ハードケース付き。2000年頃の製造品。
[状態]
ベルフレア、ベル胴に凹み修正痕点在(アテキズ残)。F管、チューニング管、グースネック、ロックリング周辺、スライドバレルに塗装剥がれ、ベル全体にスリキズ点在。ロータリーレバーのフィンガーバーはデフォルトの樽型真鍮から木製に交換。ロータリー分解洗浄、軟モノ交換。各所整備済み。
[特徴]
ベッソンがトロンボーン製作から完全撤退する2005年まで、ごく短期間のみ生産されていた、ハグマンバルブ搭載の太管テナーバス・トロンボーンです。
息の流れは非常にスムーズで、レスポンスは軽快。オープン時とF管使用時の抵抗差が少なく、自然でストレスのない吹奏感が得られます。ロータリー内部で内径が歪まない構造のため音の立ち上がりも揃いやすく、柔らかさの中に明るさと芯を感じさせる、ヨーロピアンテイストの響きが魅力です。
また、バルブ機構そのものが軽量で、構えた際のバランスも良好。無理のない姿勢で演奏できるため、長時間の演奏でも疲れにくい設計となっています。のちに経営母体統合後のクルトワが、ほぼ同等スペックでこの設計を引き継いだことからも、本モデルの完成度の高さがうかがえます。
1998年の生産開始から、わずか約7年で生産完了。現在では市場に出回ること自体が稀なモデルですが、単なる「レアもの」ではなく、ヨーロピアンな軽やかさと音楽的バランスを重視する奏者にこそおすすめしたい一台です。