『前へ飛ばすより、空間を豊かに満たす。』
239GBベルと43Cパイプを組み合わせた、Bach C管。
[概要]
ヴィンセント・バック C管トランペット
モデル:C180L
ベル:239/ゴールドブラス
マウスパイプ:43C ※
ボア:11.74mm(.462")Lボア
仕上げ:ラッカー
重量:1022g(実測)
製造年:2001年頃
付属品:なし/本体のみ
新品価格:801,900円(生産完了)
※43Cは受注生産オプションのマウスパイプ。標準25Cより抵抗感が少なく、オープンで柔軟性の高い吹奏感が特徴です。
[状態]
2番抜き差し管に凹み修理歴・ラッカー塗装落ち。ベル縁に歪み修正痕あり。マウスパイプ、レシーバー、バルブケーシングの両脇の一部、抜き差し管にラッカー塗装落ち。ベル後方カーブ側面にスリ痕と軽度のラッカー落ち。管内外洗浄。軟モノ全交換、各所整備済み。
※ピストン・インナーフェルトは アライメントの安定と耐久性の観点から当店がBach用に発注しているプレスフェルトを使用。フェルトの厚みは個体に合わせて微調整を行っています。
[特徴]
Bach C180L239ゴールドブラスベルに受注生産オプションの43Cマウスパイプを組み合わせたファクトリー・アセンブリーの一本です。後からパイプを差し替えた改造品ではなく、Bachでこの仕様として組み上げられた個体。さらに銀メッキではなくラッカー仕上げを選択している点まで含め、かなり明確な狙いを感じさせる組み合わせです。
43Cパイプは標準25Cよりも抵抗感が少なく、息が素直に入り、音の置き場所にも柔軟性があります。Bach C管の代表的な229ベル/25Hパイプが、輪郭と芯を明確に立てる“縦ラッパ”らしい方向だとすれば、本機はもう少し息を横へ広げ、ロータリートランペットを思わせる感覚で響きを作りやすいタイプ。ベルを強く鳴らして音を前へ押し出すというより、豊かな響きを空間へ広げるイメージがよく似合います。
そこに239のゴールドブラスベルとラッカー仕上げが加わることで、明瞭な輪郭を保ちつつ、音色には柔らかさと深みが生まれます。Lボアと43Cの開放感がありながら、サウンドが軽く散る方向には行かず、厚みを保ったまま伸びやかに響く。オーケストラで求められる堂々としたC管サウンドを持ちながら、ひと味違う懐の深さを備えています。
ラッカー落ちや凹み修正痕など使用感はありますが、管内外洗浄、軟モノ全交換を含む整備済み。Bach C管の王道を知っている方にこそ、この43Cパイプと239GBベルが生み出す“もうひとつの響き”を体感していただきたい一台です。