『テナーバスでは足りない。現代のバスでは大きすぎる。』
その間にぴたりと嵌る、MT. VERNON最終期のBach 45B。
[概要]
ヴィンセント・バック、バス・トロンボーン45B。9インチ・イエローブラスベル。F管トラディショナルラップ・スタイル。ロータリーレバー・ボールジョイント・タイプ。13.90ミリ・スライドボア。ラッカー塗装仕上げ。1963年製。付属品:マウスピース(MT.VERNON 3G) 、純正ハードケース
[状態]
ベル広範囲、グースネック、各チューニング管、スライドバレル、アウタースライド広範囲にラッカー塗装落ち、スリキズ点在。ベル胴、チューニング管カーブ、インナースライドに小凹み修正痕。管内洗浄・軟モノ交換。各管整備・点検済み。
[特長・魅力]
ヴィンセント・バック45Bは、1935年から1969年まで製作されたシングルロータリーのバストロンボーン。本機はニューヨーク州マウントバーノン工場時代の最終期にあたる個体です。一見すると定番の42Bによく似ていますが、42Bの8.5インチベルに対し、45Bは9インチ。ベルスロートもひと回り太く、明確にバストロンボーンとして設計されています。
興味深いのは、45Bが単なる「50B以前の過渡期モデル」ではないことです。Bachは45Bと並行して、より大きなボアとベルを持つ50Bも同時に発売を開始していました。つまり1930年代当時は、バストロンボーンを一種類の仕様で賄うのではなく、作曲家や楽曲の要求に応じて音像や響きの大きさを使い分ける考え方が存在していたということです。
スライドは42Bと同じ.547インチのシングルボア。そこに9インチのバスベルを組み合わせることで、テナーバスよりも明確に太く、深い響きを持ちながら、現代の標準的なバストロンボーンほど音像が大きくなりすぎません。高音域では反応が軽く、低音域ではしっかりバスらしい量感が得られる。その絶妙な中間性こそ45Bの魅力です。
付属するマウントバーノン期のBach 3Gマウスピースで吹くと、そのキャラクターがさらに明確になります。テナーバスでは少し物足りない、しかし現代的なバストロンボーンでは響きが大きすぎる――そんな場面でこそ、この45Bの真価が発揮されます。現在では非常に珍しい、用途そのものが現代とは異なる時代のバストロンボーンです。
※こちらの商品につきましては演奏不可の症状以外の返品・交換を承ることはできません。予めご承知くださいませ。