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自分が小学生だった頃を覚えているだろうか。 将来の自分を想像することよりも 今晩のおかず が何であるかの方が重要だったのではないだろうか。 どんなことも最初の一歩は非常にシンプルだ。ただ夢を諦めずに続けていく事、歩き続ける事、となるとなかなか簡単に行かなく感じるのは 「歳」 のせいだろうか。 |
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当店の「プレミアム・セレクションズ」ページに掲載されている楽器を見て頂ければ
お分かりになると思うが、エレキギターやアコギが大半を占めている。
しかし
管楽器や打楽器
にも同様にレアなヴィンテージ楽器が存在する。
その価値を他のヴィンテージ楽器と同等に理解してご紹介したいと思い、Player誌に掲載した。
さて今回の楽器は泣く子も黙るセルマー社のアルトサックスMark VIと1920年代の往年の銘器ラディック社製スネアである。
ギターばかりが続くとネタが尽きてしまいそうだが、ドラムとサックスならアイディアのベクトルに変化を持たせる事ができるだろう。
前回まではギターのハードケースを活用して様々な情景を考えていた我々は、これらのケースを見て絶句した。
「ただの四角い箱じゃん・・・」
ギターならケースであっても容易に分かるのだが・・・これではダメだ。
かといって楽器本体出すのもつまらないなあ〜。と考えあぐねていたとき、一人が言った。
「スティックなんてどうでしょう?」
おお、なるほど。
ドラムスティックでスネアを連想させるのか。
うむ、素晴らしい案だぞ。で、サックスはどうする?
「となると、サックスはマウスピースでしょうか?」
おお、なるほど。
マウスピースでサックスを連想させるのか。
っておい!分かるのか?Player誌の読者が・・・。
そんな機密会議? が行なわれて数時間、いや数分だったかもしれないが「縦笛」というキレの良い案が飛び出し、我々のベクトルは一斉に同じ方向を向いた。
縦笛となると小学生か、となるとスティックじゃおかしいな木の枝にしよう。
木の枝があるのは外だから・・・
下校途中の小学生が木の枝でガードレールをベシベシやっているのはどうだろう。
その横で縦笛吹いてればカンペキだ。
頭も三つあつまれば何とかなるものである。
今プロで活躍しているサックスプレイヤーも
最初は鼻をすすりながら縦笛を吹いていたはずだ。
神業と言われるドラマーだって、幼い頃は拾った木の枝で通学路沿いの家にある柵を叩き流して怒られたに違いない。
「我々は遠い昔に描いた夢を忘れていないだろうか」
そんなメッセージも込めて構図をイメージしてみたのである。
そして撮影場所、出演する小学生&縦笛を探す事になった。
「今どきの小学生、縦笛なんかやるんすかね〜」
気になる発言だ。
最近は週休二日とか先生が児童にいじめられるとか・・・我々の時代では考えられない変化が起きているらしいじゃないか、今の小学校。
さて程なくして小学生二人は知人の子供に的を絞ってお願いした。
美味しいものご馳走するよ〜って。
そしてご両親には細かな注文が。短パンにシャツ、まあるい帽子にランドセル。できれば田舎の子っぽく・・・それは無理か。
縦笛があることを確認し、二人を後ろの席に乗せて撮影に出発した。事前に調べてあった、現場へ車を走らせていると後ろの二人が兄弟げんかをはじめた。
しばらくほっといたが、少々エスカレートしてきたので注意する。
「ケンカはやめなさい、良い子だからね」
やさしく伝えたがやめる気配がない、それどころかかなりハードなパンチが出てきたではないか。
こっこれはいかん!
人ん家の子供がケガしたとなっては大変だ。
次はもう少し強く言ってみる。
「ぐおるあ〜おめ〜ら〜黙って聞いてりゃギャーギャー騒ぎおって〜」
ふと我に帰った私は自分の子供と同じような叱り方をしていたことに気がついた。(ここ削除)
そうこうするうちに、現場に到着。
子供達を着替えさせている間に近所から適当な枝を拾ってきた。その枝を渡してポーズを撮る。
ガードレールがなかったので網をやさしくぺしぺしさせ、横にもう一人を立たせてアングル調整。
とすぐにまた、兄弟げんかがはじまった。
全くもう・・・とあきれていると、
「バシッ!」あっ!
木の枝、折れた。
「ぐおるあ〜」となりかけたが、ちょうど二本になってスティックと同じになったので良しとした。
ランドセルの横に一本刺さっているのが分かるだろうか?
それが折れた枝の一方なのだ。
なんとか無事撮影は終了し、約束通り帰り道に子供たちが食べたいという回転鮨へ入った。
弟が言う。
「サーモン3枚!」
いきなりトリプルか!やるじゃないか。
兄が言う。
「マグロ2枚!」
お前ら良く知ってんなあ。
そして更に弟が行く。
「サーモン3枚!」
おまええええ!サーモンばっかりじゃないか!
負けじと兄が行く。「おじさん、たこ2枚さび抜き!」
好きにしてくれ・・・
どうやら大人の出る幕が無さそうなのでほっといて食わせていたら一人で12枚も平らげたぞ。
すげーよ小学生。
その後、無事子供たちを家へ届け、お礼を言って別れた。
やっぱり最近の小学生はわからんよ・・・