『バロックに、まっすぐ応える一台。』
ヤマハ・カスタム・ピッコロトランペット、ストレート・ロングベル
[概要]
ヤマハ・カスタム・ピッコロトランペット、YTR-983Long。ベル:95ミリ・イエローブラス・デタッチャブル。4ピストン。洋白&真鍮2ピース・バルブケーシング。11.30ミリMバルブボア。マウスピースレシーバー:洋白。マウスパイプ:レッドブラス。トランペットシャンク。1970年代製作品。付属品:純正ハードケース、A管用延長管付(※)
※チューニングはベル元のネジを緩めて行います(ベルチューニング)。A管使用時は、延長管をベル管に繋ぎます。(詳細写真参照)
[状態]
1番バルブケーシングのボトムキャップ付近に小範囲のラッカー染み。ベル元に薄いスリ痕点在。その他は目立つキズ、ラッカー荒れのない美品コンディションです。管内外洗浄、軟モノ交換、各所整備・調整済み。
[特徴]
ヤマハがかつて製作していた、ストレート・ロングベルタイプのピッコロトランペット。
本機YTR-983Longは、初期モデルYTR-917の流れを汲む1970年代製の後継機種です。
このタイプ最大の魅力は、抜けの良さと広がりを併せ持つ豊かな響き。輪郭を保ちながら、空間へ自然に広がっていく音色は、バロックや教会音楽で重宝されてきた理由そのものです。
さらに、ロングベル構造による独特の吹奏感も特筆すべきポイント。このモデルから派生したシグネチャーモデルYTR-9840を愛用していたバロックトランペットのスペシャリスト、エドワード・タール氏もかつてのインタビューで語っていたように、奏者とベル先端までの距離が長く、自分の音を自然な位置で捉えることができるため、“ソバ鳴り”が抑えられ、B♭管やC管に近い感覚で演奏できます。
近年は汎用性の高いモデルが主流となり、このタイプは各社ともに生産完了。選択肢そのものが少なくなりました。
だからこそ今、セカンドピッコロとしてこのモデルに魅力を感じる奏者は少なくありません。特定のシーンでしか得られない“あの響き”を求めるなら、代替の効かない存在です。
当時、カタログを眺めて憧れていた方も多い一台。
実際に手にして吹ける機会は、そう多くありません。