「吹き方から設計されたトランペット。」
— 音を変えるのではなく、“鳴り方”を変える一台。
[概要]
ジェローム・カレB♭管トランペット、シンフォニク470。123ミリ・イエローブラスベル。リバースチューニング管。470"エキスパンダ・ボア(=ステップボア※)。銀メッキ仕上げ。ベルインナー金メッキ。楽器重量1011グラム。1990年代製造品。付属品:他社製シングルハードケース。当時新品価格490,000円 ※リードパイプ、メインチューニング入口から出口と奥に向かってボアサイズを広げた設計。
[状態]
ベルインナーの金メッキは薄くなり、僅かに残っている状態です。ベル元の側面に極小の浅い打痕(現状お渡し/詳細画像参照)。その他は薄いスリ痕、小キズが点在していますが目立つキズやメッキ荒れはありません。管内洗浄・軟モノ交換、各所整備済み。
[特徴]
ジェローム・カレが提唱した“Superchops”という奏法理論。
本機SYMPHONIQUE470は、その思想を前提に設計されたモデルです。
カレは、自身の演奏上の課題と指導現場での実体験をもとに、「無理に鳴らす楽器」ではなく「正しい息の流れと振動効率を引き出す楽器」を追求しました。SYMPHONIQUEシリーズは、その考えを具体化した存在です。
このモデルの特徴は、単なる“鳴らしやすさ”とは一線を画す点にあります。抵抗を排除するのではなく、息の圧力を効率よく音に変換するポイントが明確に設計されていること。
吹き方が整理されるほどに、音の芯・密度・到達点が自然と揃っていきます。
ppからffまで発音原理を崩さずにスケールできるため、音域や音量によって吹き方を切り替える必要が少なく、全体の音色が均質に保たれます。“SYMPHONIQUE”という名称を持ちながら、用途を限定する楽器ではなく、ジャンルを問わず扱える懐の深さを備えています。
現在は本人の死去とともにブランドは終了しており、個体は今後増えることはありません。スペックだけでは語りきれない、“どう鳴らすか”まで踏み込んで提示してくるトランペットです。