まっちゃんの超わがまま比較シリーズ 1 - TC楽器 - TCGAKKI

  

 レオ・フェンダーによって開発されたエレクトリック・ベースこそが、その後のエレクトリック・ベースの祖となる、プレシジョンベースになります。指板にフレットが打たれていることによって、フレットレスであるウッドベースよりも楽に正確(プレシジョン)な音程が得られる。そんな理由で命名されました。発売当初から多くのミュージシャンに受け入れられたこのベースは、幾度かの仕様変更を重ねます。最初のモデルチェンジは、1954年のコンフォートボディへの移行とサンバーストフィニッシュの導入です、その後1957年には今なお変わることなく受け継がれているスプリットピックアップが搭載されます。1959年にはローズ指板の採用、1960年頃からべっ甲柄のピックガードが採用され、ほぼ仕様は完成型となります。
今回比べる商品はヴィンテージシリーズで採用されている仕様の1962年近辺の1961年製ヴィンテージプレシジョンベースと現行でも発売されているのアメリカン・ヴィンテージシリーズの1992年製です。

ペグ

 1951年に発売された、最初のプレシジョンベースにはギヤ部のネジがマイナスネジのクルーソン社製、逆巻きのペグが使用されました。その後1957年からギヤ部のネジがプラスに変更になります。

右が1961年製で左が1992年製です。

それほどの違いは御座いませんが。左のヴィンテージシリーズではゴトー製のヴィンテージリーシュー用のペグになっております。
見た目でも解る様にゴトー製はギヤ比が高く、滑らかにペグを回転させる事が出来ます。
ヘッド側、ペグの取付部に2箇所ずつ4箇所凹みが確認できます。
これはペグ裏部分で2箇所、シャフトを固定する為に使用されているU字型の支持金具によって出来た跡です。
1964年の暮れからは、金具が当たる部分にくぼみが設けられ、ペグを隙間無く平面に設置出来る様になります。
ヴィンテージリーシューでは1962年当時のオリジナルを再現し、自然に出来た跡が付いております。
ここまで、忠実に再現してある辺り、流石の一言です!

 

ロゴ

 1951年から1964年まで、このスパゲティー・ロゴが使用されます。

ヘッドストックは1957年に現在の形状に変更、1961年からはロゴの下に2つのパテントナンバーが入れられ、1962年の終わりには番号が4桁になります。

ヴィンテージリーシューは1982年から発売されており、年代によりロゴには若干の変更が加えられています。この1992年製のスパゲティー・ロゴは若干太めで、ロゴの位置にも違いが御座います。ロゴのデカールは塗装の上に張られた物でこの部分でもオリジナルを再現しています。なので、こすると取れちゃいます。。。

パテントナンバーはしかたないにしても、ロゴ位置や形状はもうちょっとかな~~~~なんて、大口叩いてすみません。

指板

 大きな違いがこの、指板です。

右の1961年製のプレシジョンベースは現在ワシントン条約で伐採が禁止され絶滅危惧種に指定、輸出入に関しても制限のあるハカランダ材を使用しています。ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)の特徴は重く硬い事、加工が難しい事、木目に沿って黒い縞がはっきりしていて、鮮やかな木質感である事が上げられます。

スラブ張りと呼ばれる、ネックとの接着面が平面になっている指板の張り方は同じながら、ここにも、若干の違いが!ネックエンドは互いに平に指板が張られていますが、ヘッド側は1961年のオリジナルはローズの接合面が山形に見えます、これはヘッドの削りだし方の違いでの見え方の差になっています。よくヴィンテージで言われる”手作業”を細かい部分ですが垣間見た気が致します。

ネックジョイント

 1961年のプレシジョンベースのネックジョイントは左半分に塗装が乗っていません。

これは塗装の際にこの部分にハンドルを取付ていた為で1960年代初期からの特徴とも言えます。

現在では塗装工程も違い、見える部分ではないので、ここまでは流石に真似てはいませんね。

 

ボディトップ&塗装

 1968年頃までフェンダー社では下地を含めたすべての塗装工程でニトロセルロース・ラッカーを使用していました。それ以降は塗装と仕上げのみにラッカーを使用し下地にはポリを使用しています。ラッカー塗装の1961年製は色の下にクリア・フィニッシュがあるかの様な色の剥がれ方をしています、3トーン・サンバーストの黄色は木目が透けて見える塗装です。ポリの物はガラスの様に割れるような色の剥がれ方をします、1961年製と同様に木目が透ける黄色を使用しています。ピックガード下には赤色が塗装されておらず、見えない部分ですが、しっかりとヴィンテージリーシューにも受け継がれています。
塗装による、音の善し悪しには賛否両論ございますが、日本の様な四季があり、温度も湿度も劇的に変化する国では、いちがいにラッカー塗装が良いとは言い切れません。1961年製とヴィンテージリーシュー互いに良さを持っていると感じます。

キャビティ&コントロール

 キャビティの形状はほぼ同じ、ポットは1961年製はスタッポール社製250K、Aカーブの1961年製が2個、キャパシターにはペーパーフィルムが使用されています。ヴィンテージリーシューはCTS社製の250K、ボリュームがAカーブでトーンがBカーブの1992年製が2個、キャパシターにはセラミックを使用しています。Aカーブ、Bカーブとは変化のしかたの違いでAカーブは急激に変化し、Bカーブはなだからに変化します。微妙なボリュームやトーンの設定をするプレーヤーにとってはBカーブのポットは使いやすく、交換される方も多くいらっしゃいます。

ピックアップ

 

 1957年、今なお変わることなく受け継がれているスプリットピックアップが搭載されす。
1"×2"の小さなピックアップは2個1組で、1・2弦側用と3・4弦側用とが互い違いに取り付けられ、1本の弦に対して2個のポールピースが割り当てられています。これによって振幅の大きいベースの弦の動きを確実にとらえることができます。
さらに2個それぞれのコイルが逆巻きに逆極のマグネットをもたせてあり、これをシリーズワイヤリングすることでハムキャンセリング効果も得られていす。
1961年製のピックアップは通称ブラックボビンと呼ばれる、黒のファイバー紙をボビンに使用した物で使用されているワイヤーも深い茶色でターン数は多く巻かれています。
ヴィンテージリーシューのスプリットピックアップも機能や形状は当然同じですがワイヤーが鮮やかなオレンジ色のエナメルワイヤーが使用されている等、全て同じとはいきませんでした。

ブリッジ

 ブリッジは現在まで何度かの使用変更がございます。1961年製に搭載のブリッジは1959年からの仕様でサドル部分の溝が深くなり、ブリッジ・プレートの角が緩やかになった物です。
ここもヴィンテージリーシューはかなり正確に再現してありますが、サドルの高さを調整する芋ネジの間隔が若干1961年製の方が狭く作られていますサドルの両サイドも面取りも多く、善し悪しは別にして、完璧な再現とはいきませんでした。

ジョイントプレート

ネックを固定するのジョイントプレートです。ヴィンテージリーシュー・シリーズはVのアルファベットから始まるシリアルです。

ヴィンテージリーシューはネックに年代が記載されているので、判別は比較的容易です。

オリジナル・ヴィンテージは年代によって、判別方法が異なりネックデイトやポットデイト、シリアルや細かい仕様等、総合的に判断する事で年代を判別します。

しかしパッと見、解りやすいのはシリアルです。以下を参照ください。 

 


 

ボディコンター&ボディバック部分

横から見ると良く解りますが、1961年のヴィンテージの方がコンターが深く作られています。
互いの年代による個体差は当然あると思いますが、ここは、はっきり違いが分かれる所です。
ボディバックから見る分には削られている範囲はあまり変わらなく見えます。

性能とサウンド

 1961年製は流石のサウンドで、太さを良く形容されるプレシジョンベースですが、太いだけでは無く、深く甘い、しかも、音が良く伸び、倍音を多く含んでいます。
ネックの剛性も優れていて、この年代の物ながらフラストレーションを感じる事は全くありません。
ヴィンテージリーシューは正直”若い”印象が否めません。
まだ良くなる余地は残しているとは思いますが、現状では、太さはあれど、奥行きに欠ける感じが致します。
ネックは1961年に比べれば、弦のテンションによりコンディションが変わりやすい傾向にあります。
これは1961年のオリジナルヴィンテージと比較した為のコメントであって、一般的なベースを比較した場合とは大きく異なります。
しかしながら、現行のヴィンテージシリーズとオリジナルと呼ばれるヴィンテージとでは10倍もの価格差がありますので、それを考慮致しますと十分過ぎる気が致しますが、どうでしょうかね。。。。。 

担当より

 ここまで、つたない説明にお付き合い頂きまして、誠に有り難う御座いますm(_ _)m。
あくまで、当店にある1961年製と1992年製ヴィンテージリーシューを比較した物で、市場にあるヴィンテージとヴィンテージシリーズとの比較では御座いませんので、ご理解の程宜しくお願い致します。
しかしながら、少しでも、皆様の何らかのお役にたてれば、本望で御座います。
では、又、会える日を楽しみにして、、、いて、、、頂けると、、、、嬉しいな~~~~なんて。

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