「アルトの中古? まして“初期タインのF管”なんて、、、もう、 まぼろし〜!!」
──Thein Early Period F-Alto Trombone (with C-Valve)
[概要]
タインF管アルト・トロンボーン。C管ロータリーアタッチメント付き。145ミリ・イエローブラスベル。マウスピースレシーバー:細管シャンク(通常のアメリカンシャンク)。12.5-12.8デュアルボア・スライド。アウタースライド:ニッケル製。エンドクルーク:イエローブラス。ラッカー塗装仕上げ。1980年前後の製造品と思われます。付属品:純正ハードケース(ベル部分の鋲1箇所陥没あり)
[状態]
ベル縁、ベル元、メインチューニング管外周に凹み修正痕点在(C管ロータリー迂回管とベルを繋ぐ支柱取り外し歴あり)。スライドエンドクルークに凹み修正痕。インナースライド先端(ストッキング部分)のニッケルメッキ剥がれがありますが、通常演奏に支障ありません。ベル本体とスライドのジョイントは差し込みのみ(ロックリングなし)。アウタースライドのストッパーリングは製造時から付いていませんので取り扱いには注意が必要です。
[特徴]
ドイツ・ブレーメンの名工房タインが、創業間もない1980年前後に製作したと思われるF管アルト・トロンボーン。アルト・トロンボーン自体がもともと生産本数の少ないので、中古市場に登場する機会は稀。タイン製となればなおさらで、「必要な場面は限られるが、だからこそ高価な新品に踏み切りにくい」というプレイヤーにとって理想的な“選択肢”になり得ます。小ぶりの145ミリのイエローブラスベルは、ドイツ伝統の芯のある明るい発音と、柔らかな倍音の広がりを兼ね備えてます。さらに、C管ロータリーを備えたF管アルトという希少な構成により、古典レパートリーに欠かせない機能性を獲得。特にベートーヴェン《運命》《田園》のような作品では、現行のE♭アルトにはない“当時の響き”を自然に再現できます。また、Cロータリーの追加によって中音域の6〜7ポジション付近を安全にカバーできるため、ピッチ面でも安心です。経年による凹み修正やメッキはがれこそ見られるものの、構造的問題はなく演奏コンディションは良好。アルト・トロンボーンで“F管×Cロータリー”という組み合わせ自体が中古市場にまず出回らず、コレクションとしても、現場のサブ楽器としても価値の高い一本です。