『 乗ったら最後、アクセルを戻せなくなる危険なトランペット。』アルトゥーロ・サンドヴァル黄金時代のスーパープレイを支えたシルキー・サンドヴァル・モデル。
[概要]
シルキーB♭管トランペット、アルトゥーロ・サンドヴァル・モデル。金メッキ仕上げ。127ミリ・イエローブラス・ラージスロートベル。ベルチューニング仕様。463"ラージボア。メインチューニング管は支柱1本が装着されラウンドクルーク型、アマド・ウォーターキイ仕様(デフォルト)。マウスパイプと1番抜差し管指掛けはOリング。楽器重量1047グラム。1996年製。付属品なし。本体のみの販売品です。
※サンドヴァル・モデルにはファディス・モデルに標準装備されているサウンドポストはついていません。
[状態]
3番バルブケーシングにメッキ剥がれ(簡易メッキ補修あり)。チューニング管カーブにメッキ浮き(再メッキ加工が施されているようです)。ベル元側面、3番抜き差し管側面にアテ痕、スリ痕点在。その他、通常使用による磨き痕や細かなアテキズ点在。大きな事故歴や凹み修復歴なし。管体洗浄・軟モノ交換・整備・調整済み。
[特徴]
稀代のスーパー・トランペッター、アルトゥーロ・サンドヴァル。そのキャリアの中でも最も脂が乗っていた1990年代。ステージでもレコーディングでも、彼の代名詞となったサウンドを支え続けたのが、このシルキー・サンドヴァル・モデル金メッキ仕様です。
彼の超人的なレンジ、怒涛のハイノート、切れ味鋭いフレーズ──それらすべてに即応する“瞬発力”と“許容度”を備えた設計は、今なおまったく色褪せていません。
イエローブラスのラージスロートベルと.463"ラージボアの組み合わせは、「こちらが踏み込んだ瞬間に、楽器が先に加速していく」ような印象すらあります。どれだけパワーを注ぎ込んでも音が破綻せず、金メッキ特有の柔らかな艶を纏ったサウンドをしっかりと届けてくれます。
もちろん、パワーだけの楽器ではありません。サンドヴァル本人がフリューゲルで見せる繊細さにも通じるように、このモデルも意外なほどニュアンスに忠実で、無理なく音色の表情を変えられる懐の深さがあります。
ビッグバンド、ラテン、フュージョン、ソロワーク──どんな現場でも“前へ出る鳴り”と“気持ちよく歌える音色”を両立してくれる一台です。