南ドイツ発。“柔らかな包容力”が魅力のヨーロピアン・ピストン。ペーター・バウマンが手掛ける縦ラッパ。
[概要]
ペーター・バウマンB♭トランペット。ベル:135.5ミリ・ゴールドブラス。リードパイプ、チューニング管、各抜き差し管:ゴールドブラス。460"(11.70ミリ)MLボア。リバースチューニング仕様。ラッカー塗装仕上げ。楽器重量999グラム。付属品なし。本体のみの販売品です。1990年代後半製作品。
[状態]
マウスパイプ側面、1番抜き差し管アタマに軽度の凹み修正痕。ベル縁に折れ修正(薄い筋状の修正痕残)。マウスパイプレシーバー、ベル胴内側の小範囲、ピストンボタンの一部、3番抜き差し管側面にラッカー塗装落ち。ベル縁にラッカー変色あり。その他は薄いスリ痕、磨き痕が点在する程度です。管内洗浄、軟モノ交換・各所整備済み。
[特徴・魅力]
ペーター・バウマンは、アルプスの山々とイン川に囲まれたドイツ南部アシャウの工房で金管楽器を作り続ける職人です。少人数で一本ずつ丁寧に仕上げているため大量生産はできず、今現在は日本国内に代理店もないことから、実機に触れられる機会も少なくなっています。
今回の個体は、ピストンバルブ式トランペット(いわゆる縦ラッパ)。工房の主力はロータリー・トランペットですが、バウマン氏は1980年代にアメリカの金管名工房「ベルカント」で製作に携わっており、その経験を基に“縦ラッパ”も手掛けています。
最大の特徴は、縦ラッパでありながら横ラッパのようなフィールを持っていること。ロータリーに通じる“柔らかな包容力”と“明るく丸い”響きが備わっており、独特の心地よさがあります。135ミリの大口径ローズブラスベルから生まれる音色は表情豊かですが、ソロでもアンサンブルでも音が前に出過ぎず、自然とハーモニーに溶け込みます。クラシックでもジャズでも、ジャンルを選ばず使える懐の深さが魅力の一台です。