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Terry’s Terry / 2005年製 TCJ-100
日本のアコースティックギター文化がここまで豊かに発展したのは、間違いなくテリー中本という存在によるものです。 孤高のギターデザイナーとして、ただ美しいギターを作るだけでなく、音を創るという行為そのものの本質を、日本に根づかせた人物。 もし彼がいなければ、カスタムギターやオーダーメイドという概念が、これほどまでに国内の音楽シーンに浸透することはなかったでしょう。 楽器製作と音楽文化を地続きのものとして捉え、実際にそれを築き上げてきたテリー中本氏は、日本のアコースティックギター史における最大の功労者といっても過言ではありません。
中でも「TCJ-100」は、松山千春氏をはじめとするプロフェッショナルに選ばれ続けてきた象徴的なモデルです。 今回ご紹介する2005年製のTCJ-100は、深く引き込まれるようなブラックフィニッシュをまとい、圧倒的な存在感を放つジャンボボディが魅力。
ヘッドと指板に咲く桜のインレイは、貝細工による精緻な手仕事で一つひとつ表現され、その優美な佇まいが和の美意識を体現しています。アバロンシェルのトリムとロゼッタが全体に気品と煌めきを添え、さらにダブルピックガードが視覚的な重厚さと演奏面での実用性を兼ね備えています。
その音は、ジャンボボディ特有の力強さと広がりを存分に備えながらも、驚くほど繊細な表現を可能にします。低域は重厚で包み込むような膨らみを持ち、中高域は透明感と芯のある響きを湛え、音全体に豊かな空間的広がりと自然なバランスをもたらしています。
しかし、このギターの真価は「鳴り」だけではありません。 一音ごとのレスポンスは驚くほど鋭く、奏者の指先がわずかに触れた瞬間のニュアンスまでも即座に拾い上げます。 力強いストロークには躍動感を、繊細なフィンガータッチには余韻と陰影をそのすべてに的確に応えるのは、緻密に計算された設計と、材のポテンシャルを極限まで引き出す構造的完成度の高さゆえ。
どのような奏法にも即座に反応し、意図した音がそのままかたちになる感覚。 演奏者の感情や間合いまでも写し取るような、極めて高い表現の自由度がこの楽器には備わっています。 ジャンボでありながら細部にまで神経が行き届いた設計の妙が、この音楽的な精度を可能にしているのです。
このギターは日本の職人技と音楽美学、そしてテリー中本という一人の天才の哲学が凝縮された芸術作品です。 このTerry’s Terry TCJ-100を手にすることは、ただ楽器を所有することではなく、日本のアコースティックギターの歴史と精神に触れることを意味します。
単なる高級ギターではなく、日本のクラフトと音楽の精神が融合した一台。 このTCJ-100を手にすることは、テリー中本という人物の哲学に触れることであり、日本のアコースティックギター史そのものを奏でることに他なりません。
[スペック/付属ケース] TOP : Spruce BACK/SIDES : Maple FINGERBOARD/BRIDGE:Ebony NECK:Mahogany/Maple 5 Piece NUT WIDTH : 42.5mm SCALE : 651mm CASE : Original Hard Shell Case
[コンディション] -年式相応の使用感はありますが目立つ傷や打痕はなく綺麗な外観を保っています。 -音の詰まりやビリ付きもなく演奏状態は良好です -12フレット上での弦高:6弦側 2.7mm、1弦側 1.5mm -サドル突き出し量:約 3.0mm〜4.0mm -トップ割れ修正・サドル交換あり
[あんしん保証:6ヶ月]
[通販安心サービス] 通信販売の場合、お客様に試奏の機会をご提供できないため、商品到着後6日間のお試し期間を設けています。 ご自宅で商品をじっくりお試しいただき、ご満足いただけない場合は商品代金をご返金いたします。 ※往復分の送料はお客様負担です。