Martin / 1977年製 HD-28
「HD-28のHとはなんなのか?D-28とは何が違うのか?」
1976年にMartin社が戦前のD-28を復刻させるべき制作されたHD-28。
というのも70年頃に入ると戦前Martinの評価が非常に高くなったことを受けHD-28として復刻するに至ったのが始まりです。
実は1931年に制作開始されたD-28と現代で復刻されているD-28とでは仕様が異なっています。

—ヘリンボーン・トリム
1931年〜1947年のプリウォー(戦前)と呼ばれるD-28には、HD-28を製作する上で絶対に無くてはならない仕様を持っています。
それこそがHD-28のHを意味するHerringboneです。
ヘリンボーン=ニシンの骨を意味し、スプルース・ボディの淵に沿ってV字型の装飾が施されています。
これがニシンの骨に見えることからヘリンボーンと呼ばれています。
47年以降に製作されるD-28には白と黒のマルチストライプのトリムが使用されます。

サイド/バックには杢目が綺麗な柾目取りのインディアン・ローズウッドを使用し、イエローがかった色彩を見せてくれます。
温かみあるサウンドと呼ばれる秘訣はこの木材の恩恵からでは無いでしょうか?

指板、ブリッジはエボニーが使用されています。
これは共通の仕様ですが戦前MartinとHD-28ではサドルが異なっており、戦前はロングサドルですが、HD-28はショートサドルが採用されています。
これは、戦前Martinとはヘリンボーントリムが重要だというMartin社の強い思いが感じられます。
1990年頃に登場するHD-28Vではロングサドル仕様になり、より戦前Martinに近づいた仕様になります。


ブレーシングはノンスキャロップド・X・ブレーシングが採用され、力強さと華やかな広がりがバランスよく調和された音色が特徴になります。
これはD-28と比べても音の飛び方や広がり方が異なる点が面白いところでもあります。
マホガニー材のネックは緩やかなVシェイプ。
しかし、Vという感触は少なく丸みを帯びたCシェイプにも感じさせてくれます。
そのためVシェイ方が苦手な方でも違和感なくお持ちいただけます。

チューニングマシンはGROVER社のミロトマチック・ペグが使用されます。
戦前モデルはGROVER社のオープンバックの通称バタービーン・ノブが採用されていますが、ここは70年代のD-28スタイルを活かした仕様かと考えられます。

ヘッドにはクラシックロゴのデカールが貼られた角の丸いシェイプを採用。
ボディだけでなく、ヘッドも渋いルックスを感じられます。

ここだけでもD-28とHD-28の違いを感じられたかと思います。
しかも、冒頭でも説明しましたがHD-28が製作されたのが1976年。そして本機は1977年製ということから初期に製作されたモデルということがお分かりいただけるかと思います。
現在では多くの復刻モデルが出ていますが、まさに本機はその先駆けである希少な1本では無いでしょうか?

[スペック/付属ケース]
TOP : Spruce
BACK/SIDES : Rosewood
FINGERBOARD/BRIDGE:Ebony
NECK:Mahogany
NUT WIDTH : 43mm
SCALE : 645mm
CASE : Original Hard Shell Case
[コンディション]
-全体的に入るウェザーチェックがヴィンテージ感を引き立てます。
目立った傷や打痕もなく綺麗なコンディションを保っています。
-音のビリつきや詰まりもなく演奏状態は良好です。
-12フレット上での弦高:6弦側 2.5mm、1弦側 2.0mm
-サドル突き出し量:約 1.5mm〜2.0mm
[あんしん保証:6ヶ月]
[通販安心サービス]
通信販売の場合、お客様に試奏の機会をご提供できないため、商品到着後6日間のお試し期間を設けています。
ご自宅で商品をじっくりお試しいただき、ご満足いただけない場合は商品代金をご返金いたします。
※往復分の送料はお客様負担です。