Juniorほど潔白すぎず、Standardほど重厚すぎない。その“ちょうどいい存在”を求めて行き着くのが、Les Paul Specialというモデルではないでしょうか。
1955年、CustomとJuniorの翌年に登場したLes Paul Specialは、マホガニーボディにP-90を搭載しながら、マザー・オブ・パールのヘッドロゴや指板サイドバインディング、2ピックアップ仕様といった上位機種の要素も併せ持ち、StandardとJuniorの間に位置する独自のキャラクターを確立しました。シンプルさの中に上質さを備えたその立ち位置こそが、今も多くのギタリストを惹きつけ続ける理由です。
1974 Les Paul Special 1955 Reissueは、そんな1955年製スペシャルを初めてリイシューした、いわば原点回帰の一本。1974年から1980年という限られた期間のみ製作されたモデルで、初期仕様では当時と同じくバーブリッジを搭載し、ルックスも1955年の雰囲気を色濃く踏襲しています。本機はブリッジ交換こそありますが、その佇まいからはしっかりとヴィンテージ・スペシャルの血統が感じられます。