『世界基準へ踏み出した、その最初の一歩。』
ヤマハ Xeno トランペット ― 物語のはじまり。
[概要]
ヤマハ B♭トランペット、Xenoシリーズ 初代モデル
・ベル:123ミリ一枚取りイエローブラス
・ボア:MLボア
・仕上げ:銀メッキ
・製造年:1993年
・重量:1106グラム(実測)
付属品
・販売当時の選定書(津堅直弘氏)
・Xeno純正シングルハードケース(外装張り剥がれ進行)
[状態]
ベル後方カーブ、ベル胴に凹み修正あり。バルブケーシングに僅かなメッキのピンホール(ぷつぷつ)。その他、全体的に細かなスリ痕や小さなアテ痕が点在しています。管内洗浄・軟モノ全交換。各所、整備済み。
[特徴・魅力]
ヤマハのフラッグシップとして長く支持されている Xenoシリーズ。
本機は、その歴史の出発点にあたる初代モデル(1990〜1993年)です。
Xeno誕生の背景には、ヤマハが本格的に世界のプロ奏者の要求に応えるトランペットを目指した時代があります。
1960年代に始まる海外技術者との共同研究、そして欧米プレイヤーの声を取り入れた設計の試行錯誤。その積み重ねの末、1990年にXenoシリーズが誕生しました。
開発ではロサンゼルス・フィルのトーマス・スティーブンス氏をはじめ、欧米のトップ奏者が試奏と評価に参加。ベル形状や素材、構造に至るまで改良が重ねられ、長い試作期間を経て完成に至ったモデルです。
現在のXenoシリーズは、その後も改良を重ねながら進化を続けています。もちろん設計の洗練という意味では現行モデルに譲る部分もありますが、当時この初代Xenoは高い評価を受け、多くの演奏現場で実際に使用されてきました。
本機も、当時のNHK交響楽団首席奏者・津堅直弘氏の選定書が付属する個体。プロの現場基準で認められていたモデルであり、トランペットとしての基本性能は現在でも十分に実用に応えるものです。
世界の奏者と開発者が試行錯誤を重ね、ヤマハのフラッグシップとは何かを模索していた時代の空気をそのまま宿した一台。
現在へ続くXenoシリーズの原点として、その歩みを静かに伝えてくれるモデルです。