Gibsonタイプ(3+3ヘッド)の弦交換方法

TC-TUNE

Les PaulやSG、ES-335などに代表される、いわゆる「Gibsonタイプ」のギターは、3+3配列のペグを持つヘッド形状が特徴です。一見シンプルな構造ですが、弦の巻き方や角度が乱れているとチューニングの安定性に影響することがあります。そのため今回は、Gibsonタイプのギターで基本となる弦交換方法をご紹介します。

Gibsonタイプの基本構造

Gibson系の多くのモデルでは、

  • ストップテールピース
  • チューン・オー・マチックブリッジ

という組み合わせが採用されています。

代表的なブリッジはGibson Tune-o-Matic Bridge です。
弦はテールピースから通し、ブリッジのサドルを越えてヘッド側へ張られます。

用意するもの

  • 新しい弦
  • ニッパー
  • クロス
  • チューナー
  • ストリングワインダー(あると便利)

1. 古い弦を外す

まずは古い弦を外します。
ネックへの急激なテンション変化を避けるため、基本的には緩めてから外す方法をおすすめします。
テールピース側から弦を抜き、すべての弦を外します。

2. 掃除

弦がない状態は、指板やフレット、ボディ、ブリッジ周りを掃除する絶好のタイミングです。
クロスを使って、ほこりや汚れを取り除きましょう。

TC楽器やAdvance Guitarsの専用クロスがおすすめです。
私たちも実際に使用している道具なので、安心してお使いいただけます。
クロスの使い方はこちら
ポリッシュの使い方はこちら

また、指板が乾燥している場合は、専用オイルで適度に保湿することもおすすめします。
使用しているオイルはこちら

3. 新しい弦を通す

テールピース側から弦を通し、ナットを越えてペグまで持っていきます。
この時点ではまだ巻き始めず、まずは巻きしろ(余らせる長さ)を作ります。

弦の余らせ方(巻きしろの作り方)

4. 弦の余らせ方(巻きしろの作り方)

弦はそのまま巻くのではなく、適度な長さを余らせてから巻くことで安定した巻き数を作ることができます。

※この長さはあくまで目安です。
 使用する弦やペグの仕様によって、適切な巻き量は多少変わる場合があります。
※一部のペグはシャフトが短いタイプのものがあり、その場合は多く巻けないことがあります。
 その際は巻き数が少なくなっても問題ありません。

6弦・5弦(ペグ1.5個分)

弦をペグの横穴に通したあと、ヘッド先端方向へ弦を引っ張ります。

隣のペグの位置まで弦を引き出し、元のペグ位置に戻します。
これが ペグ約1.5個分 の余りになります。
5弦も同様の方法で弦を張ります。

4弦・3弦(ペグ2個分)

4弦(ペグ2個分)
弦をペグの横穴に通したあと、ヘッド先端方向へ弦を引っ張ります。

その後、6弦ペグの位置まで戻します。
この方法で、ペグ約2個分の長さを確保できます。

3弦(ペグ2個分)

弦をペグの横穴に通したあと、ヘッド先端方向へ弦を引っ張ります。

その後、1弦ペグの位置まで戻します。
この方法で、ペグ約2個分の長さを確保できます。

2弦・1弦(ペグ3個分)

プレーン弦は巻き数を少し多めに取るため、
ペグ約3個分の余りを作ります。

2弦
ヘッド先端まで弦を引き出しペグ2個分の長さを確保します。
左手の摘んだ位置を変えずに2弦ペグまで戻します。

左手の摘んだ位置を3弦ペグに持ち替え、2弦ペグの位置に戻します。

この方法で ペグ約3個分 の長さを確保します。

1弦

弦をペグに通したあと、ヘッド先端まで弦を引き出し1弦ペグの位置まで戻します
この距離が ペグ約3個分 の余りになります。

5. ペグを巻く

弦をペグに通し、余らせた長さを確保したらペグを回して巻いていきます。
巻く際のポイントは以下です。

  • 螺旋を描くように下方向へ巻く
  • 巻きが重ならないようにする
  • ナットに向かってまっすぐ引かれる状態にする

弦は写真のように力をかけるよう持つことで正しく巻いていくことができます。

弦を軽く引きながらペグを回して巻いていきます。

90度ほど回したところで弦を真上に折り曲げます。

巻きは下方向に巻きが重ならないように巻いていきます。

巻き終わったら余った弦をカットしてください。
弦の先端は鋭くなりやすいため、怪我をしないよう注意してください。

巻き数がちょうど良い

巻き数が少ない

巻き数が多い

6. 完成

「Gibson巻き」について

弦交換の方法として、いわゆる「Gibson巻き」と呼ばれる巻き方が紹介されることがあります。
これは弦を上下で挟み込むように巻き、弦をロックするような形にする方法です。
一般的に知られている巻き方の一つですが、当店ではこの方法は採用していません。
弦のテンションのかかり方や巻き方のばらつきによって、チューニングの安定性に影響が出ることがあるほか、弦を外す際にほどきにくく、無理に外そうとして指を傷つけてしまうケースもあるため、当店では弦を整列させて巻くシンプルな方法で弦交換を行っています。

まとめ

Gibsonタイプの弦交換では、次のポイントを意識すると安定した状態を作ることができます。

  • 適切な巻き数を確保する
  • 巻きを下方向に整列させる
  • 弦がポストの内側へ向かう巻き方向にする

Gibson系のギターは構造上、弦の角度やナットとの関係がチューニングに影響しやすい楽器です。
弦交換の際に巻き方を整えるだけでも、チューニングの安定性や演奏時のフィーリングが改善することがあります。

この記事を書いた人:茂木(Advance Guitarsスタッフ | 現在:TC-TUNEスタッフ)

楽器への興味と愛情を抑えきれなくなり、楽器業界に飛び込み。憧れでもあったTC楽器に入社した期待の新人。
プライベートではエレキギターを演奏。Advance Guitarsにてアコースティックギターを勉強し、現在リペア部門であるTC-TUNEにてリペア修行中。

保有資格・実績: 楽器鑑定士歴2年

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