オダと学ぶ♪Fender豆知識 第3回  ボディ材/塗装/ネックプレート/ピックガード/ノブ編 - TC楽器 - TCGAKKI

オダです!
X(Twitter)にエレキギターに関する豆知識をアップしていますが、
Xでは限られた文字数でしかお伝えできないので、この近況報告でさらに詳細な豆知識を書いていきます!

知ることでギターが上手くなるわけでもなんでもないですが、ただ「へぇ〜」と思ってもらえたら嬉しいです。
(でも、ギターをより深く知る=ギターをもっと好きになる=ギターをもっと練習するようになる=ギターが上手くなるかもしれません。笑)
私自身「へぇ〜」と思いながら書いてますので、一緒に「へぇ〜」しましょう!!

第2回は指板/ネック/ヘッド編でした。
今回ついにボディに辿り着きました!
なので今回はボディにフォーカスして、ボディ材/塗装/ネックプレート/ピックガード/ノブ編となります。

 

アッシュボディ

Fenderストラトキャスターの初期はテレキャスターの流れを汲み、ボディ材はアッシュが採用されていました。1956年途中からアルダー材に変更され(一部例外あり)、72年からアッシュ材が復活します。
アッシュ材の特徴としては硬い木材で、ローとハイがしっかり鳴るサウンド!
しかし、70年代のアッシュは50年代のものとは別物なんです!
アッシュの中にも種類があり、1954~56年に採用されていたのはスワンプアッシュ(テレキャスターでも使用されていました)で、70年代のホワイトアッシュと比較すると軽量で、やや腰高なサウンド傾向にあります。

 

アルダーボディ

1956年の途中からストラトキャスターのボディ材はアルダーに変更され、1972年まで基本的にアルダーボディが続きます。(ブロンドカラーモデル等の例外あり
アルダー材は比較的柔らかく、サウンドはロー〜ミドルにピークがありアッシュ材と比べるとハイが落ち着く印象です。
Fenderではレッド・アルダーという種類が使用され、木の密度が高くない分軽量で、バランス良く共鳴すると言われています。

 

ラッカー塗装

ストラトキャスターでは1967年途中までボディの塗装はアンダーコートからトップコートまで完全にラッカー塗装でした。
ラッカー塗装は塗膜が非常に薄いので、気温・湿度の影響を受けやすく、体に当たる部分が剥げたり、とても繊細な塗装です。
そしてラッカーというのは乾くのが非常に遅く、経年によりどんどん変化します。後にポリ塗装に仕様変更されるのは主にこの乾燥に長時間を要することが原因と思われます。(後述)
今なお「塗装はラッカーじゃなきゃ!」という人が多くいるのには理由があります。
塗膜が薄いからこその木材の鳴り、経年変化により現れる塗装の割れ(ウェザーチェック)や削れ、色の変化。デメリットと思われていたものがだんだんと楽器の魅力になっていくのが面白いですよね。

 

ポリ塗装

1967年からボディの塗装にポリエステルが採用され始めました。1969年にはネックもポリ塗装になり、弾き心地が大きく変化します。
ポリ塗装のメリットとしては、塗装が硬化するのが早く、出荷時点でメーカーの目指した音で鳴ってくれるという点。傷に強く、温度や湿度の変化にも強い点です。
一般的にポリ塗装はラッカー塗装よりも安価と思われがちですが、塗料自体のコストでいえば大きな差はありません。しかし乾燥の時間がラッカーに比べ非常に短いので結果的にコストが抑えられています。

 

シック・スキン・フィニッシュ

1967年からボディはポリ塗装になりますが、1982年までは全てがポリ塗装ではなく、アンダーコートがポリエステルカラー・コートとトップ・コートにラッカーを使用していました。
当時はこの使用を「シックスキンフィニッシュ」と称し、グレードアップした塗装として積極的に宣伝していたようです。

 

 サンバースト

ストラトキャスターの定番カラーと言えばサンバースト。
一言にサンバーストと言っても年代ごとにキャラクターが変わります。

1954~7年 黄色地に黒の2トーン
1958年~ 赤を加えた3トーンになり、その後は一貫して3トーンサンバースト(1960年頃や1967~9年頃のモデルは赤が褪色しやすく、ほとんど2トーンに見えるものも。)
1964年~ 下地の黄色が変わり、木目の透けにくい塗料・塗装法に。
1968年~ ポリ塗装に変わったため、かなり質感は変わりました。
1979年~ これまでの3トーン・サンバーストに加え、タバコ、チェリーなどのサンバーストもスタンダードカラーとして登場します。

 

(これは'66年製ジャガーですが、トップコートが剥離して木目の透けにくい黄色のグランドコートが露出しています。)

ネックプレート

Fenderのネックプレートは四角と三角のものがあります。
ストラトキャスターでは1954~71年まで四角の4点止め。1972年以降が三角の3点止めになります。

それぞれプレートの中でも種類があり、変遷は下記の通り。
1954年初期 四角シリアルなし
1954~65年 四角シリアルあり
1965~71年 四角シリアルあり+Fロゴの刻印
1971年 三角シリアルあり+Fロゴの刻印+PAT.PENDINGの刻印
1971~76年 三角シリアルなし+Fロゴの刻印
1976~82年 三角シリアルなし+Fロゴの刻印

 

ピックガード

ストラトキャスターのピックガードは1954~59年までは1プライの塩化ビニール製
1959年のローズウッド指板が登場したタイミングで3プライセルロイド製に変わります。白/黒/白の3層構造で黄変した白に中層が透けて緑っぽく見えることから、グリーンガードと呼ばれます。
リイシューモデルでもしっかり再現されています。



その後1964年頃までグリーンガードが使われますが、セルロイド製であることから変色と収縮しやすいという問題がありました。
1964末期~68年には3層構造はそのままに再び変色しづらい3プライ塩化ビニール製に戻ります。



1969年頃~75年末期まで3プライ塩化ビニール製は継続されますが、エッジの角度がキツくなり(傾斜40°→60°)裏側がツヤ消しに。

1976年からピックガードを含め、プラスチックパーツは黒に統一され始めます。
ピックガードが先行して変更されたため、この年には黒PG、白PUカバー、白ノブが混合仕様のストラトがあります。
写真は1979年製。黒/白/黒の3プライ塩化ビニール製です。

 

コントロールノブ

ストラトキャスターのコントロール・ノブは、1957年までに2度の変更があったものの※、それ以降は1977年まで統一してナイロン製のホワイト・ノブが採用されました。
1977年以降にはプラスチックパーツは黒に統一されるので、ブラック・ノブに変わります。
写真は’66年製と’79年製です!

※54年→スチロール製ショート・スカート・ノブ
54~57年→メラミン製ホワイト・ベークライト・ノブ
ナイロン製に変更されたのは、耐久性の改善の為と言われています。

 

いかがでしたでしょうか!

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

X(Twitter)にも日々投稿していますので、是非フォローお願いします♪

ではまた次回、一緒に「へぇ〜」しましょう!

オダ

エレキギター

コメントを残す

すべてのコメントは公開前にモデレートされます