弦楽器のオモシロ知識 20選 - TC楽器 - TCGAKKI

"ヴァイオリンやチェロをはじめてみたい”と思っても、なんだかとっつきにくいとイメージされがちな弦楽器。。。 そんな弦楽器たちの”これって何?”や"そんなコト知らなかった!!”といった細かな雑学を特別にお届け致します(^^)♪

 

初心者の方にも優しいマメ知識をまとめていますので、弦楽器をもっともっと好きになるきっかけにして頂ければ幸いです

 

 

その1☆パーツにこだわってみよう・顎当て(^^)v

顎当てやテールピースを自分好みに交換、カスタマイズすることも弦楽器の楽しみのひとつといえますね(^^)/
顎当てやテールピースを交換するだけで音色も演奏感も大きく変化します。
ヴァイオリンを構える上で最も演奏に影響するのが顎当てです。形状・材質には様々な種類があります。

● エボニー(黒檀)
フィッティングする木材で最も硬く、重い素材。音を収束し、透明感のある響きにする効果があるようです。
ペグ素材としては、減りにくい特徴があります。

● ローズ(紫檀)
杢目の美しさが際立ち、人気のパーツです。材質としては硬すぎず柔らかすぎずでお勧めです。

● ボックス(ツゲ)
ツゲ材は、質量が軽く見た目も美しい素材です。やや高額になりますが、楽器の響きを抑えることなく広がらせる効果があり、音色が響きやすくなるようです。

 

 

その2☆☆パーツにこだわってみよう・駒(^^)v

駒(こま)またはブリッジ(Bridge)とは、弦楽器において弦を楽器本体に接触しない位置で保持し、弦の振動を効率よく共鳴胴または響板に伝える部品である。また、弦の振動長や位置を一定に保つ役目も果たす。
ヴァイオリン属の楽器ではカエデを使う。本体に接着せず弦の圧力で押さえつけられているため、全ての弦を緩めると倒れてしまうほか、手で動かすこともできる。

ヴァイオリンの弦を所定の位置で支え、弦の振動、音エネルギーを効果的に表板へ伝える重要なパーツです。デザインも美しく、高級な駒は有効に音を伝達できるよう密度が高く、木材の繊維も規則正しく詰まっています。

[ 駒を立てる位置 ]
左右位置は中心に来るように
上下位置はf字孔内側刻みの位置に
横から見てテールピース側の面が表板面に対し垂直になるように

調弦時、弦の張り替え時、持ち運びの際、輸送の際などで、弦の張力によって駒の状態が狂ってしまうことがあります。
お手持ちの楽器の調子がおかしいなと感じたら、修理・調整が必要な際には、TC楽器にお気軽にご相談下さい♪♪

お気に入りのヴァイオリンをより一層大切にできるように、細かいパーツにこだわってみるのも良いかもしれませんね☆

 

 

その3☆カーボン・ファイバーについて

[カーボン・ファイバー]
炭素繊維(たんそせんい/Carbon fiber)は、アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に高温で炭化して作った繊維。JIS規格では「有機繊維のプレカーサーを加熱炭素化処理して得られる、質量比で90%以上が炭素で構成される繊維。」と規定されている。

合成繊維であるアクリル長繊維からつくられたものをPAN(パン)系炭素繊維、石炭タールや石油ピッチからつくられたものをピッチ系炭素繊維といいます。PAN系炭素繊維は始め200~300℃で空気中でじっくり熱処理されます。この処理が終わった繊維は、火や熱に強い構造を有するようになるため、耐炎化繊維とも呼ばれます。耐炎化を終えた繊維は、続いて酸素のない状態で1000℃以上の温度で焼かれ、炭素繊維になります。ピッチ系炭素繊維は原料を精製、加熱溶融し、多数の細孔が空いた口金から吐出してピッチ繊維を作ります。次いで150~400℃で空気中で熱処理されます。この処理が終わった繊維は、高温でも融解せず、不融化繊維とも呼ばれます。続いて酸素のない状態で800~1500℃の温度で焼かれ、炭素繊維になります。

炭素繊維の長所を一言で言うと、「鉄よりも強く、アルミよりも軽い」という点です。鉄と比較すると比重で1/4、比強度で10倍、比弾性率が7倍あります。その他にも、耐摩耗性、耐熱性、熱伸縮性、耐酸性、電気伝導性に優れています。繊維なのに強度があるのは、炭素がグラファイト構造といわれる強固な分子構造でつながっているためです。例えれば、6つの炭素原子でつくられた六角形が網目のように連続した形で、ダイヤモンドとは組成が同じで構造がすこし違うだけなのです。
そもそも軍用機に使われたのが最初で、今では航空機・宇宙用途、工業用途、スポーツ用途、身近な用具では、ゴルフクラブのシャフト、テニスラケット、釣り竿などで使用されています。

 

 

その4☆表板の材料

弦楽器に使用される表板は音色の中心的な振動響板の役割を果たします。軽くて丈夫な針葉樹である松(スプルース)が用いられ、樹木は産地によって堅さ、年輪の幅、重さなどの性質が様々です。松(スプルース)はドイツ唐檜、フィヒテ(ドイツ語)とも呼ばれ、軽い割に強度があるので、ヨーロッパの様々な楽器に古くから用いられてきました。また、松(スプルース)には程良い柔らかさがあるので、高い周波数成分が吸収され、楽器として心地よい音色になります。細く平行な杢目はかっちりとした音色になる傾向があり、杢目の幅が太く間隔も広い表板は柔らかい音色になる傾向があるようです。

 

 

その5☆指板について

弦楽器の指板には一般的に、黒檀(エボニー)を使用します。ドイツ語では"エーベンホルツ"と云います。黒檀(エボニー)は、堅くて重い材質ですので、絶えず弦を擦り付ける部分においても耐久性が高いので指板材料として向いています。軟らかい木材に、単に黒い色を塗って使用した紫檀などは、低価格の量産品などに多く見受けられます。中級の黒檀(エボニー)としては、アジア原産の縞黒檀が知られています。最も良質な黒檀(エボニー)は、アフリカから採取されるようで、最良の物は既に枯れて倒れて土の中に長く埋まっているのを掘り起こしたものだと云われています。

 

 

その6☆松脂について

松脂(まつやに)は、松から取れる樹液を固めたもので、ひまし油などの柔軟剤が入っており透き通った茶系の色をしています。新品の弓でそのまま演奏しても音は出ないので、弓毛に松脂を十分に塗る必要があります。基本的には松脂の上で、弓を動かして端から端までまんべんなく塗っていきます。松脂には、柔らかいものや硬いものがあって、その粘度によってつけ心地と発音が変わってきます。黒色(ダーク)は松脂に粘度を加えて柔らかいため、粉がつきやすくひっかかりやすいため初心者の方にお薦めです。オレンジ色(ライト)は、黒色とオレンジ色の中間で程よいつき心地で人気があるようです。

 

 

 

その7☆膠(ニカワ)について

膠(ニカワ)とは?
人類が古くから使ってきた接着剤。ヨーロッパでは、木工などに使用されるようになって少なくとも4000年以上もの歴史があるそうです。木材の接着においては、現在の木工ボンドよりも接着が強固であることが証明されています。

何からできているの?
獣や魚類の皮や骨、腱や腸などをよく煮たもので、その液を濾して乾かし、固めたもの。煮こごりのようなものですね。獣のニカワ(Animal Glue)、骨のニカワ(Born Glue)、 獣皮ニカワ(Hide Glue)、ウサギのニカワ(Hare Glue)、魚・浮き袋のニカワ (Fish Bladder Glue)などがヨーロッパの弦楽器用材料カタログにリストアップされています。現在の接着剤やボンドでは、剥がして修理をするということは全く考えられませんが、ニカワは熱を加えたり、水で湿らせることで容易に剥がすことが出来るという利点があります。老化や劣化が少なく、水溶性で扱いやすい自然素材の優れた接着剤なんです^^

 

 

その8☆アンティーク仕上げ

アンティーク仕上げとは、長年に渡り使い込まれることによって生じるヴァイオリンの自然な色の変化や成熟された風格を現代の塗装技術などで再現したものです。指や顎との接触によるニスの変化や色ムラ、弓と楽器が接触したときにできる小さな傷に至るまで、細部まで丁寧に表現されたモデルも各ブランドから多数発売されています。存在感のある美しさだけなく、ニスの幕厚が不均一になることによって、個性的で艶やかな響きを生み出してくれるようです(^^)/ 見た目への拘りも弦楽器の楽しみ方のひとつですね★

 

 

その9☆f字孔って?

f字孔(えふじこう / f-hole)とは、ヴァイオリン属及びヴィオール属の弦が張られている表板の中央付近にあけられている、左右対称の穴のことで、イタリック体の「f」に似ているためこの名が付きました。この穴から楽器内部に貼られた製作者のラベルなどを見る事ができ、f字孔の形によって楽器の音色は異なってきます。
歴史を辿ると、その起源は10世紀ごろに使われていたヴァイオリンの先祖「fithele」に辿り着くと考えられています。fitheleは後にヴァイオリンを意味する「フィドル(Fiddle)」の語源にもなった楽器で、表板の左右に円形のサウンドホールが設けられていました。その後、サウンドホールの形状は丸形から半円状、「C」の字へと変化し、上下端を丸くかたどったものに変化。そして細くなったCの字型を経て、現在のf字へと変化してきたと考えられているようです。
f字孔が一般的になる前は、「C」字孔が一般的でした。これは現在でもガンバ族などの楽器に引き継がれている共鳴孔の形です。また、古い絵画の中に登場する弦楽器においても頻繁に見受けられますが、C字孔は、周辺側の木目が目切れてしまうため、その部分が強度的に極度に弱くなってしまう欠点があったようです。ヴァイオリン属が現れた16世紀以後も、半月形や火炎形、S字形などさまざまな意匠のものが造られました。
なぜ「f」の字であるのかは、強度的に優れている説、女性の英訳である「female」の頭文字から取った説、より華やかな装飾を追求する過程で生まれた説など諸説あるようです。

 

 

その10☆弦楽器のラベル

ヴァイオリンなどの弦楽器の本体、左のf字孔から中を覗き込むと、楽器の製作者のラベル(フランス語で Etiquette)が貼ってあります。弦楽器にラベルを貼る習慣ができたのは16世紀に遡ります。貼られているラベルの真贋、信頼性はともかくとして、存在しているラベルで最も古いものは、クレモナのアマティ家の人物の名前、製作年と製作場所が書かれたものだそうです。当時は演奏家や貴族がそのラベルを見てはるばる楽器の注文にやってくるといった重要な宣伝広告の役割をしていました。クレモナの黄金期と云われている17~18世紀には、著名な作家の弦楽器は、高値で取り引きをされるようになってきました。アマティやストラディヴァリやガルネリなどの作家が登場するなか、数多くの偽作品が世の中に出始めたのもこの頃と云われています。ストラディヴァリの息子 に当たるFrancesco とOmobono も高値で楽器が売れるように、父の死後、数多くの楽器に父親のラベルを貼っていたそうです。
著名な作家や稀少性のあるラベルというだけで、その弦楽器の価値の全てを判断してしまうのは、個人的にはなんだか寂しい気もしてしまいます。ご自身が納得できるご予算で、満足のできる響きとルックスを兼ね備えた弦楽器であれば、ラベルの真贋性以上に価値のある1本になるのではないでしょうか(^^)/

 

 

その11☆継ぎネック?

弦楽器のネックに損傷や摩耗が生じた場合には、どのような修理が行われるのでしょうか?ヴァイオリンは数百年使用できる楽器と云われていますが、長年の演奏の間には交換しなければならない部品が出てきます。ネックに使用されるメイプル材は表板に使われるスプルース材に比べて摩耗しにくいのですが、長年使っているうちに擦り減って細くなってしまいます。現代の感覚では、ヘッド(スクロール)部分を含めてネックを全部交換してしまえば事足りるように思えますが、弦楽器のヘッド部分はオリジナルを残す習慣があります。ネックだけを切り取り交換して接着する修理を"継ぎネック"といいます。職人さんの技術と知恵、楽器を永く大切にする想いが"継ぎネック"から伝わってきますね★弦楽器の細かいところにも注目して眺めてみてはいかがでしょうか(^^)/

 

 

その12☆弦楽器の弓

近代的な弓を作り出したのはパリのトルテ(Tourte)と云われており、それまで様々な木材が使用されていたのをフェルナンブーコに改め、スティックの反りを逆に改良、時計職人の経験を活かしスライドライナーのついたフロッグ(毛箱)を考案、精密かつ美しいものにすることで大きな音量や、多彩な奏法が可能となりました。

・ スティックの材料にはアイアンウッドやスネークウッド等が使用されますが、高級弓には組織が緻密で弾性と強度を兼ね備えたブラジル原産のマメ科の高木であるフェルナンブーコが使用されます。
・ フロッグ(毛箱)には黒檀、象牙、鼈甲などが使用されます。
・ 弓毛には馬の尻尾を使用しますが、モンゴル産やカナダ産の白馬の毛が主に使用されます。
・ 弓毛の張力を調整する部分をスクリューといいます。雄ネジは通常スチールで作られ、ボタンと呼ばれるつまみが付きます。雌ネジの部分は真鍮でできています。
・ 弓毛を止める半月形の輪のことをフェルールといいます。
・ ラッピングとは、弓を保持する際に人差し指と親指の当たる箇所が摩擦のために擦り減らないように防ぐもので、銀糸、銀メッキの銅線、 銀線、金線、鯨のひげなどがあります。
・ フロッグのスライドや両側のアイには真珠貝や鮑が用いられます。
・ 弓の先の三角形の部分をチップといいます。昔は象牙が使用されましたが、現在では、牛骨が使用されています。

 

 

その13☆裏板・ネック材について

弦楽器の裏板・ネック材は主に楓材(メイプル)が使用されており、美しく燃える炎のような「虎杢」が外観的な特徴として挙げられます。この杢がしっかりと入ったヴァイオリンは、ただの実用品としてのみならず、芸術的な雰囲気さえも醸し出してくれます。杢の有無が、決定的に楽器の音色を左右するということはありませんが、杢によって楓材の性質は異なりますので、楓材そのものの堅さなどが音色に影響する部分であるということは間違いないようです。ボスニア地方の楓材は、杢が深いわりには比較的柔らかいというところに特徴があり、ヴァイオリンにおける高い周波数成分が吸収され、とても美しい音色が生まれます。最近はカナダ、アラスカなどの楓材も用いられることが多くなってきました。この楓材の特徴は、杢は深いのですが、材質が若干堅めということです。ボスニア地方の楓材が白っぽく、木目が繊細なのに対して、カナダ、アラスカの楓材は、やや赤っぽく、杢目が粗くはっきりと見えるという外観上の違いも見受けられるようです。
材の産地などが音色に影響するのは実に興味深いですね(^^)/

 

 

その14☆パフリング

パフリングとは表板と裏板の外側を縁取る黒い二重線のことです。深さ2ミリ程度に埋め込まれた黒/白/黒の合板で、ヴァイオリンをぶつけてしまったときのダメージを最小限にとどめる働きがあると云われています。白い部分は楓、ポプラ、梨などが用いられ、黒い部分は黒檀、鯨のひげ、染めた紙などを使う流派もあったようです。ストラディヴァリなど昔のクレモナの製作家は黒く染めた西洋なしを使用したと云われており、楽器の真贋を判断する手がかりになる部分でもあります。パフリングの合わせ目は製作者の技術や個性が発揮され(ストラディヴァリのコーナーは、合わせ目が中央ではなく上コーナーでは下向き、下コーナーでは上向き)装飾的な意味合いが大きいようです。

 

 

その15☆チェロのエンドピン

エンドピンとは、床に刺してチェロを支える棒状のパーツのことです。伸縮可能で、演奏者の身長、座高に合わせて長さを調節します。チェロ以外にも、コントラバスやコントラファゴット、バスクラリネットなどにもエンドピンが付属します。今でこそ、チェロにエンドピンを付けるのは当たり前ですが、これを最初にやってチェロ演奏の可能性を拡大したのが、19世紀のベルギーに生まれたフランソワ・セルヴェと云われています。現在、エンドピンの材質として普及しているのは、スチール、カーボン、チタン、タングステンなどで、楽器を支えるほか、振動を床に伝えて響きを増幅させる役割があるので、この材質の違いで音色も変わってくるようです。エンドピンに拘って、理想の音を追求してみるのもよいですね(^^)♪

 

 

 

その16☆アジャスター

アジャスターとは、調弦の補助として音程の微調節ができるネジ状のパーツで、テールピースに装着されています。糸巻き(ペグ)だけでは音程の微調節が難しいE線(1弦)のみに装着するのが通常ですが、すべての弦にアジャスターが付いたテールピース一体型のものもあり、分数サイズや低価格帯の商品などによく見受けられます。ヴァイオリンの弦にはそれぞれ数キロもの強いテンション(張力)が常に掛かっており、小さな部品であるアジャスターの一点がその大きな力を支えることになります。スタンダードな、ボールエンド用L字型アジャスター、音にミュートがかかりにくく、音の伸びや抜けが良く、軽くて硬いチタンアジャスター、中~上級者にも好まれ人気があるループエンドタイプ弦の先の輪を引っ掛けて使用するヒル型アジャスターなど、弦の振動特性を最大限に発揮できるように、細かいパーツにも拘ってみてはいかがでしょうか(^^)/

 

 

その17☆バロック・ヴァイオリン

バロック・ヴァイオリン(baroque violin)は、ネック、指板、駒、テイルピースがバロック時代の形状のヴァイオリンのことで、モダン・ヴァイオリンと異なる点としては、バスバーが小さいこと、駒の下部が比較的薄く上部が比較的厚いこと、指板が短いこと、ネックが太いこと、アジャスターがないこと等が挙げられます。最も重要な違いは弓で、モダン・ヴァイオリンの弓の形状が「Σ」の字に中間部が凹んだ曲線を描く一方、バロック・ヴァイオリンの弓は直線形であるか、または中間部が少し膨らんだ曲線で弓の毛の張力が弱いことを意味しています。多くのバロック・ヴァイオリン奏者はガット弦を使用しています。柔らかい響きの素朴な音色となり、アンサンブルにおいて他の楽器と調和しやすくなるようです。

 

 

 

その18☆魂柱

魂柱(たまばしら・こんちゅう)とは、ヴァイオリン属の楽器において、表板と裏板を直接つなげる直径約6mm程の棒で、魂柱により音が裏板まで振動し、楽器全体に音が響くようになります。弦の張力によって表板にかかる圧力で裏板との間に挟まれている状態で取り付けられており、通常、駒より若干下に設置され、木目の間隔が狭い材が良質とされ、その材料はスプルース(松)を使用します。魂柱の表面に小さなキズがあるを確認できますが、それは内部に魂柱を立てるために「魂柱立て」という道具を突き刺した痕で、不良品ではありませんのでご安心ください。適切なサイズに作られて、適切な位置に置かれるかどうかで、音色は大きく変化します。まさに魂の柱ですね(^^)♪

 

 

 

その19☆一枚板?二枚板?

弦楽器本体の裏板には、貼り合わせをしない一枚板仕様と、中心部分で貼り合わせをした二枚板仕様の2タイプがあります。一枚板仕様は、一枚の楓材(稀にポプラ材など使われることもあります)を削りだして成形されたもので、継ぎ目などが一切なく、一般的には一枚板の方がやや高級な位置づけがされていることが多いようです。一枚板の製作には、原木のサイズが単純に2倍なければ切り出すことが出来ず、大きな樹木が必要になることからコスト的に高価にもなります。一方、二枚板も良質なキメの細かい杢目が左右対称に綺麗に並べられており、非常に魅力的な外観です。双方、音響学的には際立った優劣はなく、好みによるところですが、一枚板も二枚板も、遜色なくそれぞれに名器が存在しています。皆さんはどちらがお好みですか?(^^)♪

 

 

 

その20☆木釘について

裏板の中心線の上下に時々見かける黒ぽい木片を「木釘」といいます。この製作方法は、特に古い楽器において用いられており、裏板だけでなく、表板にも同じように木釘が利用されることがあります。木釘は、製作時に板を仮止めした痕跡と言われており、製作スタイルによって、または流派によって同じような特徴が認められることがあります。裏板用には黒檀製の黒っぽい色の木釘が、表板用には楓または松の木釘が用いられることが多いようです。アマティやストラディヴァリなど一部のクレモナの楽器は、木くぎが半分パフリングで隠れて半月型に見える場合があります。現代における木釘の利用方法として、古い楽器のような雰囲気を出すために、敢えて取り入れるということもあるようです。小さな部分ですが、木釘に注目して特徴を見てみるのも興味深いですね。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか(^^)☆ 皆さんの知っているコト、知らなかったコト、色々あったと思います。
弾けるようになるための普段の練習は、きっと大変なことも多いと思います。
ツライ時にも”やっぱり弦楽器が好き”と、自分の楽器に愛着を持って頂けるひとつの良薬になればと
今回マメ知識をまとめてみました。TC楽器は楽しい弦楽器ライフを応援します☆
これからも皆さんが末永く弦楽器を楽しめますように♪♪


 

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