徹底比較!ローズウッドテレキャスター

大凡20年ぶりに復活した徹底比較シリーズ
当時はまっちゃんと呼ばれたおりましたが、現在はTC楽器の店長の松井として立派に成長いたしました。。。。(あまり成長はしていないかも、、)

今回ご紹介するのはローズウッドテレキャスター!ご存知の方も多いと思いますが、1969年に発売され1970年と1972年に少量のみ生産された貴重かつ希少なテレキャスターです。ジョージ・ハリスンがLET IT BEのPVで演奏している姿はあまりにも有名で、ビートルズ世代の方は憧れのギターと思います。

そんなローズウッド・テレキャスターを大胆にもオリジナルとフェンダージャパンを徹底的に比較します。メーカーや取扱に垣根の無い、当店だからこそできる大胆比較!ぜひ、お楽しみくださいませ。

1 外観

1970 Rosewood Telecaster

1982 Fender Japan TL69

※どちらもそそる見た目です!光沢感やローズウッドの木目も美しく唯一無二の存在感。パッとした見た目では正直どちらがオリジナルで、どちらがフェンダージャパンかの区別は付かないのではないでしょうか

2 ロゴ

1970 Rosewood Telecaster

1982 Fender Japan TL69

※ロゴは形状は同じですが、オリジナルは黒縁に薄めの金色で、Registered Trademarkマークがついており、特許省に商標登録されている事が解ります。フェンダージャパンは黒縁に金色で金色が非常に濃いのが特徴、Registered Trademarkはありません。

3 ペグ

1970 Rosewood Telecaster

Metal mechanical components and screws arranged on a dark surface.

1982 Fender Japan TL69

※ペグは決定的に違いがございます。オリジナルはシャーラーにて製作された通称Fキーを装備。フェンダージャパンはゴトー製のクルーソンタイプが装備されています。

4 フレット

1970 Rosewood Telecaster

1982 Fender Japan TL69

※フェンダージャパンは幅は2mm、高さは減っている為、実際の高さは不明で印象としては幅広で低めの印象。オリジナルも幅は2mm、すり合わせも行なっている為、実際の高さは不明です。フェンダー社では70年代徐々に高さのあるフレットが打たれますが、この時期はまだ低めのフレットを使用しています。

5 ネック幅、厚み、形状

1970 Rosewood Telecaster

ローポジションは若干ネックサイド部分が落とされており、ソフトVシェイプの様ですが、ハイポジションではCシェイプになっています。
ナット幅41.4mm
1フレット部分のネック幅41.9mm、
1フレット下のネックの厚み21.7mm
12フレット部分のネックの幅50.6mm、
12フレット下のネックの厚み23.6mm

1982 Fender Japan TL69

※ネックの形状はCシェイプネック
ナット幅 42mm
1フレット部分のネック幅 42.3mm、
1フレット下のネックの厚み 20.7mm
12フレット部分のネック幅 44.5mm、
12フレット下のネックの厚み22.2mm

Close-up of a wooden guitar neck with a decorative inlay.

※正直ここまで違うとは思いませんでした、オリジナルはテーパーが強く更に幅もありますが、実際に演奏してみてそこまで太いネックとは感じないネック。フェンダージャパンも実際に演奏してみてそこまで細いとは感じませんが、実際の数値に直すと大きく差が出ています。

6 ボディ形状、厚み、重量、作り

1970 Rosewood Telecaster

ボディの厚み44.6mm
重量3.63kg

Solid blue background with no other elements or features.
Close-up of guitar electronics and wiring inside the body.
Close-up of a guitar neck joint showing wood and metal components.

1982 Fender Japan TL69

ボディの厚み 44.5mm
重量 4.16kg

Close-up of a guitar neck cavity with wires and a cloth.
Close-up of a wooden guitar neck joint with visible wear and tear.

※厚みは誤差ですが、重量はかなり違います。軽量化の為、どちらも中抜きされているボディではありますが、オリジナルの方が軽くなっています。どちらもローズウッド材のセンター部分にメイプルを挟み込んだ作りになっており、コントロールキャビティの部分からその構造が伺えます。正直、ジャパンの方が丁寧に作っているように見られます。

7 ピックアップ

1970 Rosewood Telecaster

ブリッジピックアップの抵抗値6.19kΩ、
ネックピックアップの抵抗値5.8kΩ

A close-up of a guitar pickup resting on a cleaning cloth.
A metal clip resting on a light blue fabric surface.

1982 Fender Japan TL69

ブリッジピックアップの抵抗値10.35kΩ、ネックピックアップの抵抗値9.25kΩ、グレイボビンの最終期です。

Close-up of a metallic object resting on blue fabric.

※抵抗値だけでサウンドは語れませんが、明らかにフェンダージャパンの方が高出力です。ローズウッドの素材自体が硬質で音をボディに含みにくい為、あえて出力の高いピックアップをフェンダージャパンでは使用した可能性はございます。

8 ポット、スイッチ、コンデンサー、ジャック、配線

1970 Rosewood Telecaster

ポットはスタックポール、スイッチはCRL、コンデンサーはサークルD。ピックアップはエナメルワイヤーを使用。

1982 Fender Japan TL69

ポットはCTS、スイッチはCRL、コンデンサーはサークルDで、作りはUSAモデル並みにパーツもしっかりしています。ピックアップの配線材もコットン皮膜でピックアップもUSA製である事がわかります。

Guitar control plate with wiring on a blue cloth background.

※使っているパーツ的のレベル的にはほとんど差はありません。ピックアップのワイヤーを考えるとフェンダージャパンの方に若干軍配が上がります。

9 ピックガード

1970 Rosewood Telecaster

この年代非常に特徴的なピックガードを使用しており、3プライの一番下の部分にベッコウ柄のセルロイドを使用しています。使用した理由は定かではございませんが、おそらくムスタング用にに仕入れたセルロイドが余った為に用いたのではないでしょうか。こんな事をしたおかげで、もれなくピックガードは大きく膨らみ、気発したベッコウピックガードが全体に影響を与え、ピックガードが割れる始末。正直「いらん事したな。。。」と思います。

Black guitar pickguard on a dark background.
Colorful abstract art piece resembling a fragmented shape on a dark background.

1982 Fender Japan TL69

通常の黒/白/黒の3プライのプラスチックピックガードです。膨らむ事も縮む事もないので、非常に安心して外せます。




10 ストラップピン

1970 Rosewood Telecaster

1982 Fender Japan TL69

※どちらも際立った特徴はありませんが、オリジナルのネジは木ネジを使用しています。

11 ネジ

1970 Rosewood Telecaster

※ペグ止めネジ

※ジョイント止めネジ

※ピックガード止めネジ

※ブリッジ止めネジ

1982 Fender Japan TL69

※ペグ止めネジ

※ジョイント止めネジ

※ピックガード止めネジ

Four metal screws arranged in a row on a dark surface.

※ブリッジ止めネジ

※各所使われているネジには違いが見られます。

12 ブリッジ及びサドル

1970 Rosewood Telecaster

1982 Fender Japan TL69

※どちらも際立った特徴はありませんが、オリジナルのネジは木ネジを使用しています。

(総評)
日本人だからと贔屓目と言う訳ではなく、はっきり言って日本製の方が精度が高く、しっかりと作られています。ただ不思議な事にサウンドの空気感や倍音を多く含んだ感じはオリジナルに軍配が上がります。フェンダーのギター全体に言われる事ではありますが、作りの荒さがむしろサウンド全体の掴みどころになっており、フェンダーらしさと言われる所以を作り出しています。フェンダージャパンはサウンド自体にもまとまりがあり、綺麗なサウンドに寄っており、日本製のギター全体的な印象としても語られる、作りがしっかりしているからこそ、サウンドもまとまっている部分につながります。
現在までフェンダーギターが世界を席巻し、ヴィンテージは高額と取引されているのは、最初の段階で完成系になっていた事、楽器作りというよりは、工場製品としての作りが、後のサウンドに良い影響を与えて事があげられ、楽器として良いギターを探究し製作されている方々には、なんとも皮肉な事実です。
私の個人的な意見ではありますが、フェンダー社を下支えしたのは日本人であると思っております。それはフェンダージャパン発足から、コロナ工場やメキシコ工場の人員育成、更にはレリック加工の提案に至るまで、日本人がいなければなしえなかったフェンダー社の礎があります。
大好きなフェンダー社のギター、日本人として私個人としても一生をかけて、探究し楽しみたいと思っております。

この記事を書いた人:松井(TC楽器 店長)

協立楽器新宿店店長を経てTC楽器に入社。店長としてビンテージギターフロアやエレキベース、アンプ、パーツ等ジャンルレスに担当を歴任。著名ミュージシャンからの信頼も厚い、業界屈指のエレキギター販売の第一人者。好きなミュージシャンはB’z。趣味は競馬やゴルフ。

保有資格・実績: 楽器鑑定士歴20年、ギターマガジン等への執筆・監修協力

▶︎執筆記事はこち
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