ヨーロッパで生まれたサクソフォンが、ジャズ発祥の地、アメリカ本土で生産されることになった経緯とは?
そこにはサクソフォン起死回生のドラマがあった!
サクソフォンは、ベルギー生まれのアドルフ・サックスが1840年頃に考案。楽器普及のために1842年にパリに移住。サクソフォンは、フランスやイギリスの軍楽隊で使われはじめ、瞬く間にヨーロッパに広まります。
アドルフが取得した特許権の消失とともにCRAMPONやCOUESNONなどフランスの楽器メーカーを中心に模倣品が多数登場しますが、アドルフ自身が掲げていたサクソフォン音楽はヨーロッパで受け入れられることなく、1870年頃には早くもサクソフォンの人気に翳りが見え始めます。そんな状況のなか、サクソフォンがふたたび息を吹き返したのが、遠く海を渡ったアメリカでした。
そのきっかけを作ったひとりが、1872年にアメリカに移住したイギリスの歌劇団オーケストラのクラリネット奏者のエドワード・A・ルフェーブルと言われています。ルフェーブルはニューヨークでサクソフォン奏者としても名声を確立。演奏だけでななく、サクソフォンが市場に安定供給されるようアメリカの大手管楽器メーカーC.G.CONNに製作依頼を働きかけました。
1890年代にはC.G.CONNと同社から分かれたBUESCHERによりサクソフォンの生産が本格的にスタート。こうして、純・米国産のサクソフォンが誕生します。
1900年代に入るとMartin Band Instrument Company(MARTIN)、1910年代にはH. N. White Company(KING)などもサクソフォン製造に参入。1920年代にはラグタイムやニューオーリンズ・スタイルのアーリージャズから派生した大編成のビッグバンド形式によるスイングジャズが大人気となり、サクソフォンはジャズの花形楽器として一躍脚光を浴びます。その噂を嗅ぎつけたフランスのSELMERもアメリカ市場に参戦。各メーカーがしのぎを削ってサクソフォンの開発・生産に取り組む時代に突入したのです。
ただいま、くぼ管ではC.G.CONNを筆頭に、BUESCHER、KING、MARTINなどのアメリカン・ヴィンテージ・サクソフォンを取り揃えています。
すべてオーバーホール調整済みですので、骨董品ではなく演奏道具としてバッチリ使えるコンディションです。試奏予約の必要はございません。マウスピース、リードをご持参いただければ、いつでも試奏OKです。
太くストレートに鳴り響く音色が魅力のアメリカン・ヴィンテージ・サクソフォン。この機会に手にしてみませんか?
大久保管楽器店 水本