『マズ一サイノ事ニ、序 破 急アレバ、コレヲ定ムル事、コレワ、次第次第ナリ』
(世阿弥 著『花習内抜書』より)
能の囃子方は、舞台の舞謡を文字通り囃して(=栄して)ゆく器楽奏者です。同時に、舞台上に並んでいる通り、演者の一員であり、時にはシテという主役と対等に渡り合う存在となります。従って、見事な演奏を果たすことはもとより、その所作や姿に凛とした美しさが求められます。
能の囃子には指揮者はいません。しかも、そのリズムと間は一定ではなく、刻々と揺れ動きます。にも拘わらず、リハーサルのような通し稽古は一切行いません。あるのは簡単な申し合わせが一回のみ。そして一回きりの本番。各自が互いの表現を機敏に感知しながら阿吽の呼吸で一期一会の演奏を成し遂げなければなりません。
此処に紹介する収録演奏は、中野にある梅若能楽堂の舞台をお借りして収録したものです。
すべて、ぶっつけ本番のワンテイクです。録り直しは一切ありません。独特の緊張感が漲る能の囃子をお楽しみください。
その他の演奏は、百人堂/TC楽器製作特設ページにてご覧頂けます。演奏動画だけではなく、能囃子で使われる4つの楽器、能管、小鼓、大鼓、太鼓について、それぞれの演奏や扱い方の動画とともに詳しくご紹介しております。
能で使われる楽器の奥深さや不思議な特徴を知ることで、ご興味を持って戴ければ幸いです。
百人堂/TC楽器製作特設ページ『能囃子の秘密』
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