山と森から学ぶこと - TC楽器 - TCGAKKI

はじめに

こんにちは! お立ち寄り頂き有り難う御座います♪

弊店では個性豊かなスタッフが様々なコラムやフェアを展開しており、皆様方より大変ご好評を頂いております。手前味噌ながら、実用的且つ緻密なレポートが多数揃っており参考にして頂ける資料もふんだんに盛り込まれておりますが、そんな中、このページではガラッと趣向を変えてわたしの植樹記録をご紹介しております( ^ ^ )。

楽器屋のホームページなのになんでー( ゜゜?)、関係あるのかな?

とのお言葉も聞こえて参りますが、その自由さ加減こそが我が中古楽器屋の特徴(勝手に)とでも申しましょうか。予め申し上げますと、ここではこれといって楽器の話らしい話は出てきません。どうか悪しからずm(_ _)m。しかしながら、みなさんが普段お使いの楽器、その一部に木材を使用している物がほとんどですよね。

日々店でギターを磨いている私ですが、その最中よく思う事があります。(はて、このギターは「木」だった時、どこの国のどの辺りで何年ぐらい生きていたんだろうか…) 
んなこと考えてんの…(;?_?)…と、これを読む10人中8人の方が思った瞬間でもあります。

弊店には現在3000点ほどの中古楽器を在庫していますが、中古・ヴィンテージという事はそれぞれ年代や生産国が異なり、個々の楽器が世界中から様々な歴史を背負ってこの東京・新大久保にやってきたという事になります。ということは「様々な木材が集まってきている」という事になり、私にとっては楽器店であると同時に、さながら世界中から年代の異なる材料が集結した植物資料舘といった感じでもあります。

phpto これはよくアコースティック・ギターのトップ材に使用されるスプルースですが、白い部分と茶色の濃い部分とが交互に並んでいるのが分かります。この白い部分を夏目(春から夏にかけて成長した部分)、色の濃い部分を冬目(秋から冬に成長した部分)と言い、この2つを合わせた数ミリが1年分の成長となります。…そうです、よくよく考えてみると一年でこの厚み分だけしか太くならない訳です。これを地道に数えていくと……目がチカチカしてきますが、少なくとも樹齢○十年以上であることが分かります。高い楽器の材にも安い楽器の材にもそれぞれに植物として生きた長い時間・歴史があり、この木目は少なくとも自分の倍以上の年月をこの地球上で生き抜いてきたという証です。どうでしょう、そう考えると、自然と「ふーん、すごいなぁ」という気持ちがわいてくるのです( *´ー`) 。

そんな事を感じているうちに、実際、何十年、何百年の歳月をかけて樹木が生長するという事はどういう事か、その過程を自分の目で確かめ体感してみよう、と思うようになりました。今の歳からじゃ大木になるのは見届けられませんが、実際に自らの手で木を植えるという体験を通し、材料の枯渇問題や環境につき考えるきっかけになれば、と植樹ボランティアの参加を決めた訳です。

phpto深刻化する環境問題を抱えた今日、植樹活動自体に関心を抱かれている方も多いと思います。興味はあれど、一体どこでどうやって山に木を植えるのか??、と、疑問をお持ちのそこの貴方様、これさえ読めば疑問も不安も吹き飛ぶ事間違いありません( ^ ^ )。これより植樹ボランティア参加の一日を、ざっくりではありますが時間の経過を交えながらご紹介させて頂きます。楽器に興味のある方ない方、木材に興味のある方ない方、植樹に興味のある方ない方、色々なお考えやご意見があるとは思いますが、何はともあれ多くの方にお目通し頂ければ幸いです。(写真ばっかりでほとんど文章はありません… ^ ^ ;)

ではどうぞ〜m(_ _)m。

体験記

某月某日

朝5時前に起床…当たり前ながら山に向かうには早起き必須。。この難関さえ乗り越えれば後は何とかなるものです( _ _ )zzz

6時前…どうにか身支度を整え家を出立。さわやかな初夏の風に吹かれ駅まで向かう♪…はずが、その日はあいにくの雨予報。雨に降られながら最寄り駅へ。そこから新宿へ移動。

am6:24 新宿発の指定快速電車に乗り込み、一路関東北部を目指します。恐ろしく低いテンションの中、車内で黙々と朝食を流し込みその後パーカーを頭からかぶりしばし爆睡。。。

それから約2時間後のam8:14 乗り換え地点に到着。am8:23発の各駅停車に乗り換えてさらに約45分。
一体どーなるんだ?(焦)…と思う程雨降りしきる中、am9:08目的地の終点駅に到着。

駅を出ると今回お世話になるNPOさんのお迎えバスが数台停車しており、集合した参加者の皆さんが次々にバスに乗り込んでいます。みなさんに続いてそそくさとバスに乗り込み、揺られる事40分弱でしょうか。窓の外に見えて参りました山々。

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家を出てはや4時間以上経過(◎◎;)ついに目的地に到着です=3。土砂降りだった雨も、移動の途中いつの間にか止んでおりました。

地獄の底のような朝の低いテンションは何処へやら、「おぉー!、ついに来たぞー」とキャラにない勢いでバスを飛び降り(?)、植樹ポイントへよちよち移動開始。

えーっと、ここからどれだけ歩けば現場へ着くんだろうか??…と思うまもなく「あちらでーす」と係の方のお声が。指された先に目をやると、前のバスで到着していた方々が既に植樹を開始されております。

「いやいや、植樹場所までもっと歩くかと思った。へとへとにならなくてよかった」と、内心余裕の面持ちでふと後を振り返ると…

ぎゃあ

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すんごい急斜面をのぼっていく方々が…。

そうなのでした! 今回の植樹コースは緩斜面と急斜面とにポイントが分かれており、足腰に自信のない自分は緩斜面を選んでいたのです。急斜面コースの方は、傾斜30度、200メートル程続く階段を数往復しながらの作業との事。植樹を終えた後の足のぱんぱん具合を想像しただけでも身震いがします。。。しかし急斜面で作業をする人がいなければあそこはいつまでたっても緑が増えません。こうして多くの方の力があってこそ山は再生するのだ、と目の当たりにした瞬間でもありました。

で、早速私もインストラクターの方にやり方を教えて頂きながら作業開始です(^∀^)
このように予め穴掘りの下準備は整っており、この穴に苗木を植えていきます。これも又多くの方の手によって事前に準備が進められてきた事…頭が下がる思いです。

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この穴の底に、まず草の根株や石などを敷きます。草の根などは後々栄養分となってくれるそうです。

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そこへ黒土をバケツ1杯photo

腐葉土 袋半分 ざば〜photo

粉炭 袋半分を投入しphoto

全体をよく混ぜます。photo

ちなみに、この日の現地の予想気温は12度。おそらく実際はもう少し暖かかったのではないかと思いますが、長袖のシャツとパーカーぐらいの格好で丁度良い気温でした。しかも、画像の通り靴はコ○バースです。コ○バースで山に行って仕事になんのか?!、と登山靴の持ち合わせのない私は内心どきどきしていましたが、今回のポイントはほぼ平地で軽めのスニーカーでも問題有りませんでした。滑る場所もありますので、本当はもう少し滑りにくいスニーカーや本格的なトレッキング・シューズの方がいいのかも知れません。普段お店で仕事をしている時とまるまる同じカッコで山に挑むという暴挙もクリア、寒さ対策にもう一枚薄い上着を持って行きましたが結局それも不要。北関東の初夏であれば大体こんな服装で乗り切れますので、これから参加をご検討されている方はご参考になさって下さいませ。
(しかしながら、なんだかんだで山でも大活躍の愛用コ○バース、さすがです★)

さてさて、いよいよこの中に苗木を植えていきます♪photo

苗木がこの大きさになるまで3年程かかるそうです…photo

周囲の土を戻しながら苗木の周りをやさしくぽんぽんおさえます。photo

えいえいphoto

えいえいえいえいphoto

するとこんな感じにphoto

そして最後に杉の樹皮を周囲に敷きつめるマルチングという作業を行います。乾燥や寒さを防ぎ、周囲の雑草を生えにくくさせる為の作業です。photo

で、これが完成形です! 用意されていた苗は数種類あったそうで、え〜っと、これは何の木の苗でしょうか(汗) すみません、全然見極められませんが、この土地に本来生息している"みずなら"などを中心に色々な苗木を植えさせて頂きました。photo

作業の合間にふと見上げた現地の空模様。たまに小雨が降ったりやんだりのお天気だったので一面雲で真っ白です。これが青空だったらまた気持ちが良いだろうなぁ、と一瞬思ったのですが、いや、もしこれで日が照っていたらどうでしょう…。

木がないから苗を植えている訳でして=木陰が有りません=ちょっと一息つくにも炎天下…(帽子も持たずに来ました…)これはまさしく絶好の植樹日和だったのではないか、と思い直しました。紫外線も強い時期、帽子は持って行った方が良いですね(^ ^ ;)。photo

そして着々と苗を植えていき、全体の作業もほぼ完了です。使用した樹皮、炭粉、黒土などは全て協賛企業様のご提供だという事で、気持ちばかりではありますが大切に使わせて頂きました。photo

こちらも苗がたくさんphoto

数百人の参加者の力で一面に苗木が植えられました。実際はかなりの面積でしたが、あっという間です。このコラム、早くも終盤にさしかかっております。photo

photoさて、スコップやバケツを片付けた後は、待ちに待ったお昼ごはん♪♪ 午後1時前ぐらいにはお昼となりましたので、作業はスムーズに終了したのではないでしょうか。この日の参加費(ちなみに3千円)にはバス代や保険代の外、お弁当・豚汁・お水代が含まれており、ご用意頂いたものをテントの下で頂きます♪♪ 画像ではすっかり沈んでいますが、豚汁は具だくさん♪♪ 残さずおいしく頂きました〜。持参したおやつも概ねたいらげ、しばし交流タイムです。

この後、NPOの皆さん、参加者のみなさん揃って本日の報告会が行われ無事終了。天候がやや不安定な事もあり、予定終了時刻よりやや早めのpm3:00頃に解散となりました。

さてさて、バスに乗り込み現地を後にします。車窓に見えるのは、植樹地点すぐ側の銅山跡地。稼働により進む森林の伐採、排出される亜硫酸ガス、山火事などで周辺の山はみるみる姿を変えていったそうです。植樹の際に使用した炭粉は、今なお汚染されたままの酸性の土壌を少しでも中和する為のもの。日本でも最も再生の難しいと言われているこの荒れた土壌に、”本物の森”を蘇らせるべく日々力を尽くされておられる方々のお話を伺い私は言葉も有りませんでした。非常に考えさせられる光景でした。photo

そして市街地へ下りると猛烈な土砂降りに( ̄  ̄;)photo

上もこんな雨だったら大変な事になりますね〜。お天気に恵まれた事に感謝しつつ無事帰路へ。そして新宿へ戻ってきたのは夜8時前。丸一日掛かりとなりましたが、限りある資源を大切にしていかなくてはいけない、と思い直し自分の生活を改めて見直すきっかけとなりました。

今回植えた苗木は楽器材とは異なりますが、皆さんがお使いの楽器の木部も、当たり前ながらはじめはみんな大きな樹木でした。バイオリンなどには数百年現存し、今尚、超えようのない圧倒的価値と魅力を放ち続けている銘器があります。樹木から楽器へと姿を変えた後も、人の手を渡りながら木は長きに渡り生き続けていく訳ですね。楽器を愛しているみなさまのこと、きっとお手元のギターやベースも「楽器に生まれ変わって音楽を奏でられるようになって良かった!」と、大事にされている事を喜んでいるのではないでしょうか(^^)。

で、なんだかエコな話となりましたが、べつに山へ行かずとも普段の生活で出来るエコロジーは沢山ありますね(^◇^)♪ そうです! 楽器を使用しているからこそ出来るエコといえば【楽器の売却 =リサイクル♪】みなさまの楽器も大事な資源! 使わなくなった・買い替えた、などのご事情でお部屋で眠っているが楽器が御座いましたら是非当店へお持ち下さい! 楽器もよろこび、お客様の懐もあたたかくなる、「買取」はみんなが嬉しくなるエコロジーですd(^ ^ )。 高額査定をご用意して皆様のご来店をお待ちしておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ!m( _ _ )m

買取フォームはこちらから♪
「歴史的価値あるヴィンテージから最新の現行モデル」まで、弊店では専任のスタッフが豊富な知識と経験を元に、相場にとらわれない需要と品質重視の適正な買取査定を行わせて頂いております。買い取らせて頂きましたお品物は、各専門のリペアショップ及び弊店リペアマンの手により、適切な修理・調整を行った上販売をさせて頂いております。お客様の愛器、どうぞご安心の上、手前共にお任せ下さいませ。

おわりに

という訳で、あっという間に終わりました(^^;)。さて、このコラムが次回へ続くとすれば、次は…〜草むしり体験編〜 でしょうか…。私が同地で生い茂る草をむしる画像が延々と……と、そんなの誰も見たくないという事なので残念ながらコレは有りませんが、この若木が大きく成長した姿をいつか皆様にお伝え出来れば、と思っております!

それでは皆さま、又次回(?)お目にかかりましょう。有り難う御座いましたヽ(^◇^)ノ(井)

※コラム内のボランティア活動は、弊社の慈善事業とは異なります。

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