1965年に登場したH.&A.selmer Inc.(=所謂アメセル)製の電気サクソフォン・システム《Varitone》は、一部のマニアやコレクターの間では知られていましたが、現存する楽器本体数が極めて少ない上に、アンプを含めたシステムすべてが揃っていることがなく、その詳細は殆ど不明のまま。その存在さえ忘れ去られようとしていました。
THE中古楽器屋では、極上美品状態のアメセル《Varitone》テナーサクソフォン・システム一式を海外ルートから数年前に入手していました。ただし、サックス本体は新品に近いコンディションだったのですが、肝心の電気システムは40年以上の歳月を経ていた為、作動箇所が一部のみでした。
半ば“お蔵入り”状態となっていましたが、当店専門技術陣スタッフに手により、ようやくシステムの完全復活の目途が立ち特集ページを作成致しました。
この先駆的電子管楽器の知られざる全貌を二回に渡りお届けいたします。
《Varitone》に関する、世界的にも稀なる詳細な解説です。
※この楽器は『SAX&BRASS Vol.10』(リットーミュージック刊)のp.083《PRECIOUS HORN Cafe》にて紹介されています。