ギブソンとフェンダーで伝説を作った男 - TC楽器 - TCGAKKI

TC楽器ニヘイです!!

皆様GibsonのP-490というPUをご存知でしょうか。
P-490とはGibsonが1957年に開発したハムバッキングPUの名称です。
Gibsonを知っている方やそうでない方でもハムバッキングPUを調べたらほぼ確実に通るであろう「P.A.F」。
そもそもP.A.FとはPatent Applied For(特許申請中)という意味の通称であり、正式名称はP-490となります。


今では伝説的なPUとなっている「P.A.F」ですが、その開発に携わったスタッフの一人にSeth Loverという人物がいます。

Seth Loverは1945年にGibsonへ入社します。
それ以前は海軍で、レーダー、海中探知機などの技術者として勤めておりGibsonに入社する前から電気に関する知識を持っていました。
Gibson入社後はリペアやアンプ開発など電気系統に関する仕事をしていましたが、その中でピックアップの開発も手掛けていきます。

1957年以前のGibsonのエレキギターといえばP-90P-480などのシングルコイルが搭載されていましたが、大音量で演奏する際やアンプの側に立った際にノイズが発生しやすいという問題に直面します。
そこでSeth Lover達が導き出したのが、コイルを2つ並べてハム・ノイズを相殺しようという考えでした。
そうして開発されたのがP-490です!

P-490の開発が開始されたのが1955年頃、そこから約6ヶ月程の開発期間があり特許が取得できたのが1959年頃になります。
開発には当時のGibson社の社長でありLes Paul開発などにも携わっていたTed McCartyなども参加しています。
こうして開発されたP-490は現在のエレキギターの基礎となります。


ここまで聞くとSeth Lover=Gibsonというイメージがありますが、何とSeth LoverはFenderでも働いていました!!

1967年にFenderに入社をしたSeth LoverはFenderでもいくつかのPUを開発します。
その中でも一番有名なPUが「Wide Range Humbucker」です。
Wide Range HumbuckerといえばTelecaster CustomTelecaster Deluxeなどに搭載されている特徴的な形のハムバッカーです!!
構造はGibson社のP-490とほぼ同様の構造を持っていながらも、サウンドはブライトでシングルに近い高音域の抜けの良さを持っています。



Seth LoverはFenderからGibsonと同じサウンドのするPUを作ってくれと依頼をされましたが、Fenderのエレキに必要なトーンはGibsonとは少し違うと感じ、Wide Range Humbuckerのようなブリリアントなトーンを持つHumbuckerを開発しました。

1975年までFenderで働いていたSeth LoverはCBS社の定年に従って退職します。


GibsonとFenderというエレキギターの歴史を語る上で欠かす事の出来ないメーカーでPUを開発していたSeth Loverは、FenderとGibsonと同じくエレキギターの歴史に欠かす事の出来ない人物の一人です!!

エレキギター

2 コメント

DH

DH

正しくは、wide range humbackerですね!

アリゾニアン

アリゾニアン

僕が間違えてるかもしれませんがWide Large HumbuckerじゃなくてWide Range Humbuckerではないでしょうか?

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