江戸時代の古管から昭和の笛師による新管まで、各時代の能管をご用意しました
店頭にお越し頂ければ、笛のお試し吹きが可能です。
能管は一本、一本、音色も吹き心地も異なる個性豊かな笛でもあります。
この機会に能管の醍醐味を是非、ご体感ください。
※当店の能管はすべて笛師の元で整備を終えた状態です。
[能管とは]
能や歌舞伎、長唄、お祭り等のお囃子で使われる日本固有の笛。西洋音楽的なメロディを持たず、唱歌(※)を元にした節回しをリズミカルに力強く吹き鳴らします。
(※)唱歌(しょうが)…「オヒヤラアリヒウイヤ ヒウ-ロロラア-」のように音の聞こえ方を片仮名で譜に表記したもの。能管の唱歌には音の高低はあるが、絶対的な旋律ではなく、ニュアンスに重点をおいた節回しに近い。ただし拍子(リズム)については極めて厳格に規定されています。
全長約39センチ。管外径3センチ前後。材質は竹。先端から歌口までの頭部分には節の太い真竹などの男竹が使われているものが多く、節の細い篠竹(女竹)と継いでいます。指孔(ゆびあな)は同一線上に7つ開けられています。
能管には音の高低はあるものの、中音域は通常の音階よりも狭く、独自の音移りを生み出しています。器楽的な純粋音以外に吹き込む息音(ノイズ)が重なっているため、倍音が大きく増幅されています。これらの要素が、鳴り始めた途端に舞台の気配を一変させる独特の音色の個性を形成しています。能管特有のヒャーと甲高く鳴る高音=ヒシギには、人間の可聴音域を超えた高周波が鳴っており、他の笛にはない類まれなる力強さが加わります。
能管は“神降ろしの笛”とも呼ばれており、そのルーツは縄文時代の祭祀に使われた石笛(いわぶえ)にあるとも云われています。
能の舞台では、神や死者などこの世のものではない登場物を舞台に誘う働きとして能管のヒシギが吹き放たれます。
まさに石笛の直系と云われる所以です。
能管は堅牢に成形された耐久性に優れた笛で、吹き込まれるほどに豊かな響きに変化を遂げていきます。製作から百年目から本領を発揮するとも云われおり、笛方が舞台で使う能管は三百年以上前に作られた古い笛であることも珍しくありません。
※乾燥には弱いため、良いコンディションを保つためには丁寧な保管と継続的な息入れが大切です。
江戸時代の古管から昭和の新管まで、個性豊かな能管あり
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