ニューハカランダをはじめとする
ハカランダに並んで希少材として扱われるようになったローズウッド種の数々。
それならばと名乗りを上げた、
ローズウッドの代わりとなる”ポスト・ローズウッド”の面々!
以前から広く知られていた材から、これは、、、?という材まで、
各メーカー幅広く木材を採用するようになってきています!
この度はその中でも、ローズウッド種では無いものの、
ローズウッドの代わりとして、その座を狙う
ポスト・ローズウッド材の一部をご紹介!
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ローズウッドと同じマメ科ですが、ローズウッド種となるツルサイカチ属ではなく、ギボーティア属という種類の木材。
比重が高く安定性も良いのでエレキベースのボディや指板などに使われることも多いです。
別名、「アフリカン・ローズウッド」と呼ばれることもあり、ローズウッドに似たサウンドを得られることと、レッドリストの指定もないので、ローズウッドの代用材として近年多くのブランドで採用が見られます。
美しい杢目と安定性、そして摩耗にも強いことから、昔から家具などにも利用されることがあります。Yokoyama Guitars
元MorrsのクラフトマンでMorris Sシリーズの開発をしたことでも知られる、横山正氏が長野にて工房を構え1人で製作をしています。
フィンガーピッカーを初めとした技巧派のプレイヤーに多く支持され、そのレベルの高い木工技術で作られるギターは1本1本個性があり温もりが感じられます。他のメーカーがあまり使わないような希少材を用いた幅広いスペックのギター達が特徴です。こちらはYokoyama Guitarsの一番人気、ARシリーズからAR-GBU。
フィンガーピッカーに多く支持されているMorris Sシリーズを踏襲したスペックを採用された小ぶりなサイズにカッタウェイの組み合わせ。
鮮やかで薄く赤みがかり、キラキラと煌めくキルトのような杢の出たサイドバックのブビンガが美しい1本。ブビンガらしく硬質でハリがあり、軽やかではなく比重の感じられるタイトめなサウンドはヨコヤマギターズにぴったりの相性です。
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こちらもブビンガと同じギボーティア属に属するマメ科の木材、オバンコール。
赤身の強いローズウッドやブビンガに比べ、黄色っぽい褐色系の色が特徴。木目のパターンはローズウッドに似ています。
濃い木目のラインと、薄く黄色っぽい部分の濃淡が鮮やかで美しいです。
音質もローズウッドに近く、トーンのバランスも良く輪郭のはっきりした質感は感じられますが、ローズウッドに比べウェットさがなく、腰の高い若干硬質で明るい音であることが多いです。立ち上がりも早いのでローズウッドとコアの間をとったような魅力的なサウンド。Taylor 414ceなどでも知られる、Taylorの400番台にも採用されていることでも有名です。K.Yairi
K.Yairiは1965年にメイドインジャパンブランドとして立ち上げられました。70年代から今日までも、少人数体制でのハンドメイドにこだわって作られたギターは、その精度と音色、コストパフォーマンスなど、あらゆる面で多くのプレイヤーから支持されています。
こちらは日本製ギターとして世界的な人気を誇るK.Yairiから、不定期での生産がされているクールジャパンなシリーズ、JAPONE の、其の四~源氏物語 宿木。特徴的なトップの絵は電熱ペンを使用して木を焦がし、濃淡をつけながら描かれる「ウッドバーニング」という技法が用いられており、先代の矢入一男氏のご友人の岐阜県在住の絵師さんによって描かれているとのこと。サイドバックのオバンコールが明るく綺麗な1本。
アタッキーでブライトに弾けながらも箱鳴りの奥行き感のある独特なサウンドは、ウッディで温かみのあるサウンドを得意とするハンドメイドのK.Yairiと、オバンコール材のコンビネーションが伺えます。 -
ローズウッドと同じマメ科であり、ツルサイカチ属に近縁なマカエリウム属という種の木材。
流通名や通称が多く、「パープルウッド」、「モラド」、のほか、「ボリビアン・ローズウッド」、「サントス・ローズウッド」とも呼ばれ、様々な流通名で身を隠し、楽器業界内でも以前よりアコギのサイドバック材などにも使用されてきましたが、ローズウッド規制における代用材としてさらに人気が高まっています。
個体によって差はあるものの、チョコレートのような茶褐色から、少し紫がかった木材の色で、インディアンローズにあるような大きくぼやけるような縞が特徴。Morris
国産フォークを語る上で、国内で最も馴染みのあるメーカーの一つとして挙げられるMorris。
60年代に前身ブランドが創業。72年に晴れてMorrisというブランド名になりました。
その技術力と価格は今も昔も多くのプレイヤーに評価されており、
70年代終わりあたりから、当時の日本製品にあった“安かろう悪かろう”といったイメージを払拭したのがMorrisと言われています。古くよりハカランダやインディアンローズウッド、マホガニーやナトー、メイプルやチェスナットなど、幅広い材をサイドバックにも使用してきているモーリス。こちらはMorrisのリーズナブルなドレッドノートモデル、M501。パープルウッド名義でパーフェローをサイドバックに使用しています。
大きく広がるような板目の杢目がダイナミックで美しい1本。写真では移りづらい色味ですが、実際の見た目ももう少し薄く紫がかったくどさのないサラッとした色味です。
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青みがかった明るい茶色から、チョコレートのような濃い色の茶系の木目が特徴。アルダーにも似た風合いがあります。
マホガニーのように重い材から軽い材まで幅広いので、木取りや個体によってサウンドも大きく変わります。
「カルフォルニア・ウォルナット」、「ブラック・ウォルナット」、「クラロ・ウォルナット」とも呼ばれ、クラロ・ウォルナットにはカーリー、バール、クロッチなどのエキゾチックな杢目のある個体もあり、古くから家具などでもお馴染みの一般での認識も広い材です。Gibson
アコースティックギターを語る上では欠かせない、Martinと2第巨頭と築き上げているブランド、Gibson。
1930~40年代より、マホガニーサイドバックやエボニー指板、当時他のメーカーは積極的に採用していなかったメイプル材をサイドバックに使用するなど、アコースティックギターの歴史と様々な基準を作り上げてきました。時期によってはローズウッド系の材をメインに採用することも多く、近年では材料不足に伴って、伝統のみならず今まで使用していなかった材も採用するようになってきています。こちらはGibson伝統のJ-45を始めとするラウンドショルダータイプ、J-15。
J-45やJ-50などのメインのレギュラーモデルと比べ、リーズナブルなモデルとして近年展開されています。
メインのマホガニーモデルとは違い、サイドバックにウォルナット、ネックにはメイプルを採用。
明るくバチっとハマる深みのあるアタックが気持ち良い1本。ウォルナットのうるさくない立ち上がりの良さを体感できます。
あとがき
昨今のローズウッド全般の規制なども相まって
これらをはじめとする”ポスト・ローズウッド”の普及は広く進んでおり、
ニューハカランダの時と同じく、代替材としてではなく、
その木材そのものの魅力や価値が評価されるようになってきています!
ローズウッド種の中でも様々なものが新しく現れ、それ以外の種の材でも、
今までローズウッドが担っていた役目に滑り込んでくる、
個性豊かで魅力的な木材がどんどん出てきていますので、
今後も注目してみてください!