プロが実践するアコギ梱包テクニック完全ガイド

アコースティックギターの発送で絶対に失敗してほしくない!

【目次】
1. アコースティックギターの配送で失敗しないために

2. ギターの梱包に必要な資材と準備アイテム一覧
・当店が厳選・使用している梱包資材(特注ダンボールなど)

3. 【実践】アコースティックギターの正しい梱包手順8ステップ
・Step 1:ペグを回して弦を緩める(張力緩和によるヘッド折れ防止)
・Step 2:フレットガードを作成・装着する(指板・フレットの擦れキズ防止)
・Step 3:【最重要】ケース内でギターを固定する(ヘッドの中空浮かせ・詰めすぎNG)
・Step 4:ケースを防水ビニール袋でカバーし片結びする(雨濡れ・摩擦防止)
・Step 5:特注ダンボールを組み立て「十字貼り」で底面を補強する
・Step 6:底面に緩衝材を敷き、ケースを静かに納める
・Step 7:「コの字ダンボール」と緩衝紙で箱内の横揺れを完全固定する
・Step 8:天面を保護して密閉し、佐川伝票・取扱注意ステッカーを貼り付ける

4.当店の梱包へのこだわりと発送のご相談・サポートについて

1.アコースティックギターの配送で失敗しないために

通信販売での購入、あるいは遠方からの買取や修理依頼など、楽器を配送する機会は意外と多いものです。そんなとき、真っ先に頭をよぎるのが「配送中に壊れたりしないだろうか?」という不安ではないでしょうか。 配送中にはどうしても振動や衝撃が加わる可能性があります。

お持ちの楽器に対する大切なお気持ちや、配送に対する緊張感は、日々多くの楽器をお預かり・お届けしている私たちにとっても、非常に共感できる部分です。

ですが、どうぞご安心ください。配送中のトラブルの多くは、実は「適切な梱包手順」を知って実践することで防ぐことができます。

特別な技術が必要なわけではありません。押さえるべきポイントさえ知っていれば、誰でも安全にギターを発送することができます。
そこで今回は、当店が日頃から店舗で実践している「安全なアコースティックギターの梱包方法」をご紹介いたします。

写真付きで順番に解説しますので、ご自分で発送される方はもちろん「お店側がどんな状態で送ってくれるのか知りたい」という方もぜひ参考にしてみてください。

2.当店で使用している資材

まずは、梱包に使用する資材をご紹介します。
ギターを安全に配送する為に、当店では以下の資材を使用して梱包を行っています。

・ダンボール...アコースティックギターのサイズに合わせて設計した当店特注の外箱です。

・ビニール袋 ...配送時に傷や水濡れから大切な楽器とケースを守るため、ケース全体をビニール袋でカバーします。

・緩衝材...ダンボールの底面と天面(上面)に敷き詰め、上下からの衝撃をしっかり吸収させます。

・緩衝紙...ケース内部の隙間や、ダンボールとケースの間に詰め、ギターやケースが中で動かないように固定します。

・正方形ダンボール 2枚
ハードケースを箱に入れた際にできる、ネック両脇の空洞を埋めるための専用固定具です。
折り目に沿って「コの字」に折り、開いている側を外側に向けて設置することで、ケースの横揺れを完全に防ぎます。

・取り扱い注意ステッカー
「取扱注意」や「精密機器」などのステッカーを外箱に貼り、配送ドライバー様にも慎重に扱っていただけるよう指定します。

3.梱包の手順

実際にどのような手順で梱包を行うのか、ポイントを踏まえながらご紹介します。

① ギターの弦を緩める

万が一配送中に倒れたり強い衝撃が加わったりした際、弦が強く張られたままだと、張力(引っ張られる力)と衝撃が合わさって一瞬でヘッドが折れてしまうことがあります。
発送前には必ずペグを回して弦を完全に緩め、テンションが全くかからない状態にします。
あらかじめ張力を逃がしておくことで、万が一の際もダメージを最小限(浅いクラック程度など)に抑えられる可能性が格段に高まります。

②フレットガードを取り付ける  

配送中の振動で弦とフレットが強く擦れ合い、フレットや指板にキズがつくのを防ぎます。
少し厚手の紙を、弦と指板の間に挟み込むだけで簡単にフレットガードの役割を果たしてくれます。

③ケース内でギターが動かないよう固定する

ケースの中でギターがガタガタと動いてしまうと、輸送中の振動でケースの内壁にぶつかり、傷や破損の原因になります。
ギターをケースに入れたら、ボディ周りの隙間に緩衝紙を詰め、中で楽器が動かないように固定しましょう。

ケースの蓋が無理なく閉まり、ケースを立てた状態で手で揺らした際にギターが動かない状態を目指します。
実際にケースを前後左右に揺らして、中のギターが動かないことを確認します。

※なぜプチプチ(緩衝材)ではなく紙なのか
ラッカー塗装のギターにプチプチ(緩衝材)が直接触れると、化学反応を起こして塗装が溶けたり跡がついたりする「ラッカー負け」を起こす可能性があります。
特に夏場の配送車内など、箱内部が高温多湿になる環境では、短時間の輸送であっても塗装面とプチプチが反応してしまうリスクが高まります。
万が一のリスクを考え、当店では無地の紙を使用しています。

※重要なポイント(ヘッド周りの注意点)
ギターのヘッド部分は、最も衝撃に弱く折れやすい部分です。
必ずヘッドの先端や裏側がケースの壁に直接当たらない、「中空に浮いている状態」を作ります。
ヘッドを緩衝材や新聞紙で包んでしまうと、かえって外からの衝撃がヘッドへダイレクトに伝わり、破損の原因になってしまいます。
この点が1番重要なポイントと言って過言ではありません。

画像のようにヘッドがケースに干渉しない状態で、ギターが動かないように固定します。

④ケースをビニール袋に入れる。

配送時の擦り傷や水濡れから大切なケースとギターを守るため、ケース全体を防水用のビニール袋でカバーします。
袋の口はしっかりと片結びにして、キツく縛っておきます。

⑤外箱のダンボールを組み立てる

外箱の底が抜けてしまわないよう、「十字」に貼り合わせます。
さらに、底面の端にある隙間(左右・手前の合わせ目)にも沿ってテープを貼ることで、ダンボール全体の構造的な強度が大幅に向上します。
この貼り方をすることで、最も圧力がかかる箱の中心部がしっかりと補強され、底抜けリスクを格段に減らすことができます。

⑥底面に緩衝材を敷き、ギターを納める

組み立てたダンボールの底面に「緩衝材(エアクッションや、くしゃくしゃにした紙など)」をしっかり敷き詰めます。底面にしっかりとしたクッション層を作ることで、荷下ろしや移動時の「縦方向の衝撃」を和らげ、ダイレクトに負担がかかるのを防ぎます。
底面の準備ができたら、防水用ビニール袋で覆ったギターケースをゆっくり箱の中へ納めます。

⑦ダンボール内のギターケースを固定する

ケースを収めた後のネック両脇にできる大きな空洞へ、折り目に沿って「コの字」に折った正方形ダンボール2枚を設置します(緩衝資材で代用可能です)。

ダンボールとケースの隙間がある場合は、緩衝材を詰めることでケースを固定します。

⑧天面を保護して、外箱の封をする

ケースの上面にも緩衝材を入れることでケースの固定をし、「縦方向の衝撃」を緩和します。

蓋を閉めた状態でダンボール前後左右に揺らし、ギターケースが動かないことを確認した上でテープで封を行います。

最後に、配送ドライバー様にも注意を払っていただけるよう、目立つ位置に「取扱注意ステッカー」をしっかりと貼り付けて梱包完了です。

Cardboard box with labels, standing upright against a wall.

4.当店の梱包へのこだわりと発送のご相談・サポートについて

当店からお客様のもとへ出荷するすべての楽器においても、今回お伝えした厳重な梱包手順を徹底しております。

今回ご紹介した内容は、特に以下のような方々に役立てていただきたいです。

  • 遠方にお住まいで、お店へのご来店が難しい方
  • 通信販売でギターの購入を検討しているが、配送が不安で踏み出せない方
  • 買取査定や修理のために、ご自身で大切なギターを発送しようとお考えの方


大切な楽器を事故なく安全に運ぶために、今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。

大切なギターの配送や梱包について、「自分で準備するのが難しい」「この方法で合っているか確認したい」といった疑問や不安がありましたら、どうぞお気軽に当店までご相談ください。

資材のご用意や梱包のアドバイスもしっかりサポートいたします!

この記事を書いた人:望月(Advance Guitarsスタッフ)

私生活ではエレキギターをメインに演奏。仕事の休憩時間にもギターを弾き続けるほどの楽器へのとめどない愛と興味を活かし、Advance Guitars屈指のストローク技術でアコースティックギターの魅力を発信している。

保有資格・実績: 楽器鑑定士歴4年

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