三世荒木古童(昭和十年没)作の銀輪継ぎの八寸管、高い技巧を施した最晩年の三印管
[概要]
三世荒木古童作の琴古流一尺八寸管。銀輪継ぎ。内袋、共桐箱、販売時の古童自筆の領収書在中。
[状態]
上管の一部にひび割れ。継ぎ緩みあり。現状お渡し販売品です。
※演奏するためには割れ修理・調整が必要です。ご要望の際は別途有償にて承ります。
[特長]
尺八史上最高の名人とも称された三世古童氏は、製管師としても卓越した才能の持ち主でしたが、演奏や古典本曲の研究に力を注いだため、製管の数は少なく、現存する尺八はわずかです。歌口は古管などを見習い、角を入れずに成形されています。そして歌口廻りに極薄の鼈甲を筒状に挿入するという高度な技巧が施されています。三世古童が特許を所有していた製法です。使われている竹は堅牢で肌目の細かな最良の材です。竹管を指で弾くとチーンと響くほど極めて硬質です。継ぎの部分は籐巻きや太銀輪管ではなく、敢えて極細の銀一線としているのは、上下の管が一本の竹が繋がっていた姿のままであることを判りやすく演出するための粋な施しです。管尻の根をわざと残しているのも三世古童管の特徴的な姿です。
三世古童氏は56歳の若さでこの世を去りましたが、この一管は亡くなる前年に手渡された一管。生涯最後の一管だったかもしれません。歴史的名管に相応しい逸品です。